業界記事

【国土交通省就任インタビュー】 都市局長 北村知久氏「経済の発展支える都市政策を」

2019-09-05

 国土交通省の北村知久都市局長は「都市は人が活動して生活する場。いかに充実したものになるか、日本の経済の発展につながり、支えられるような都市政策をやっていかなければならない」と就任の抱負を述べる。
 7月末に社会資本整備審議会の都市計画基本問題小委員会がまとめた「コンパクトシティ政策」と「都市居住の安全確保」に関する方策については「立地適正化計画ができて5年が経過し、コンパクトシティ政策の総括に加えて、災害リスクを勘案したまちづくりも議論しなければならいということで提言をいただいた。コンパクトシティは後ろ向きの政策ではなく、人口が減っても都市の密度を維持できるような積極的な考え方を持っていることを地方自治体にも周知する。居住誘導区域に住みたいようにしていかなければならない」と説明。安全の観点からは「自治体によっては危険と言われるエリアが居住誘導区域に入っている例がある。また浸水想定区域が外せない場合は防災のための政策とセットで立地適正化計画を作ってもらうことを進める必要がある」と話す。
 新技術や官民のデータを活用しながら都市と地域の課題を解決するスマートシティに対しては「Society5・0時代における都市づくりの新しいコンセプトで、政府一丸となって推進している。5月に先行モデルプロジェクト15事業を選定し、8月には官民連携プラットフォームを作った。課題は一気に解決できないが、面白いことを考えている自治体のお手伝いをしたい。民間の力が重要な分野なので、公共団体と民間の情報やITなどをマッチングできるような取り組みを進めたい」と意欲を見せる。
 有識者懇談会から提言された「居心地が良く歩きたくなるまちなか」の形成に向けては、必要な制度改正や予算要求を図る考え。提言に共鳴し、ともに取り組みを進める「ウォーカブル推進都市」は全国で160団体に上る。北村局長は「取り組みの度合いも違うと思うので、先行的に事業に取り組んでいるところとよく相談しながら進めていく。地方都市で住みたくなる魅力のあるまちをつくるためのものと、大都市の魅力を高める意味のウォーカブルがある」とした上で、制度を検討する姿勢を示した。
 
【略歴】きたむら・ともひさ
 1987年東大法学部卒、建設省採用。国交省土地・建設産業局建設業課長、水管理・国土保全局総務課長、大臣官房審議官(国土政策局、土地・建設産業局担当)、大臣官房建設流通政策審議官を経て本年7月9日付で現職。55歳。山梨県出身。
 

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