業界記事

【東日本大震災から6年】 建設業の活動知らせることが大事

2017-03-09

 東日本大震災発生から3月11日で6年が経過するのを前に、宮城県建設業協会が東日本大震災記録誌『復興を担う次世代のために』を発刊した。2000部作成し、県内の学校、関係自治体、関係機関などに配布する。  震災直後からいち早く現場に駆け付け、経験したことのない震災対応に尽力するなど地域建設業が果たした役割を正確に発信することを目的とした記録誌は5冊目。復興事業は施工の最盛期が依然として続いている中、各地で復興への姿が見え始めている。  今回は復興を担う次世代の人材確保・育成に向けた取り組みのインタビューを交えながら、地域とともに歩む地域建設業の実態を紹介している。       ◇  ふるさとに思いを寄せ、支援を続けるプロフィギュアスケーターの荒川静香さんは、建設業の大切さが理解され、将来を見据える子どもたちにも伝わるためには「まずは活動を知らせることが、大事なつながりを生むのではないか」と話す。  また、震災復旧工事に携わった技術者は「震災前、建設業は閉ざされた世界だったように思う。ただ震災後の復旧工事などで建設業が頑張っていることが一般に浸透してきた」とし、もっと開かれた現場を目指すべきと主張する。なぜなら「現場は大変だが、そうでもしないと若い人たちに建設業の良さを伝えることは難しい」と考えるからだ。  職場体験学習の重要性を指摘するのは宮城県建設業青年会の栗村英樹会長。自身の活動経験を踏まえて「地道な活動だが職場体験学習を続けていけば、実際には建設業の仕事に就かなくても体験は残る。長い目で見れば建設業への理解促進につながるのではないか」と強調する。       ◇  大震災から6年を経て、被災地を取り巻く環境は大きく変わった。地元の建設業界も例外ではない。  宮城県建設業協会の専務理事として震災対応に奔走した千葉嘉春氏は昨年5月、会長に就任した。現状は厳しく、事業量に比例して最盛期には約520社あった協会組織は半減した。そのため現在の復興需要が終わった時の経営環境の悪化が心配されるとし、「地域の雇用・経済も含め、地域建設業の位置付けがあるはずだ。今後とも地域建設業が安全・安心を守る『地域の町医者』として存続し続けることは大事になる」と指摘する。  明るい話題もある。仙台市内に約1400ある町内会に記録誌を配布したところ、一般市民からは「地域建設業がこんなこともやっていたのか」という電話やはがきをもらったとし、「一般に対する広報活動は大事だと思う」と話す。       ◇  本年度から復興・創生期間に入った被災地では、まだまだ必要な事業が残っている。心配なのは復興・創生期間終了後で、東北地方では公共事業が減るのではないかと危惧されている。国土交通省の石井啓一大臣は「復興の進捗等を踏まえつつ、あらためて検討することになる」との考えを示すが、将来にわたって事業量の確保が約束されたわけではないため、不安は尽きない。  東日本大震災の被災地で復旧・復興に尽力した建設業者が「地域の守り手」に今後もなり得るのか。これからは行政と業界の本気度が試される期間に入るといえるだろう。

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