業界記事

【女性座談会】 女性も働きやすい現場を〈前編〉

2017-03-07

 全国建設業協会が公表した女性職員の在職および採用状況調査結果(2016年度)によると、直近1年間の女性採用比率は技術者が前年度比2・1%増の24・8%、技能者が同0・6%増の8%で、事務職を含めた全体では前年度比1・4%増の17%となっており、女性の進出が増加傾向にあることがうかがえる。  ワンダーベル合同会社の中村秀樹氏は国土交通省による建設業女性活躍応援プロジェクトの効果もあり、現場における女性技術者などの活躍が目立っていると話す。とりわけ利根川上流河川事務所は女性が活躍するための取り組みを積極的に推進、武笠裕美古河出張所長を中心とした女性のネットワークが自然に構築されており、今後の展開に期待がかかるという。  常陽建設が施工しているH27古河中田新田地区上流築堤工事は女性技術者の配置を要件とする試行工事で、施工者により女性が働きやすい環境整備が図られている。2月23日には、同工事現場事務所に発注者側として武笠古河出張所長および利根川上流河川事務所の女性職員3人と受注者側の女性技術者など6人が集い、中村氏を進行役に、女性も働きやすい建設現場をテーマに意見を交わした。      ◇ 中村 工事現場で働いてみて、働く前の印象と比べてどのようなギャップがありましたか。 上原 男性従事者は思っていた以上に優しく、丁寧で、紳士的。良き仲間となっています。 関根 入職前、3K(きつい、汚い、危険)のイメージがありましたが、実際は安全対策が十分になされており、清潔に保たれています。 水谷 県発注の工事においてはトイレが男性と兼用で、女性に配慮した休憩所もありませんでした。関東地方整備局発注の工事については女性専用トイレを設置でき、感謝しています。また、子育てのため、早く帰宅できるよう会社や周囲にサポートしていただいています。 與儀 関東地方整備局は地域インフラサポートプラン関東2016の取り組みに力を入れています。建設業における若手や女性技術者の活躍を広報することは、担い手確保に寄与すると考えています。 中村 19年までに女性技術者・技能者を14年時点の倍となる20万人(技術者2万人、技能者18万人)とする政府の方針について意見をお聞かせ下さい。 山本 工業高校に出向き、建設業に関する説明を行った際、女子生徒の参加者は1人でした。就職を控える高校生などに興味を持ってもらえるような対策が必要ではないでしょうか。 坂井 入職者が増えたとしても、早出・残業・休日出勤が多ければ、結婚や出産を機に退職する人も多いと思います。 関根 施工管理の仕事を務めて4年目のことし、1級土木施工管理技士の資格を取得し、監理技術者を目指そうと考えていますが、結婚・出産により責任あるポジションを続けられなくなる不安もあります。 山岸 建設業に従事する女性が忙しくても、配偶者が育児などをサポートしてくれる場合もあります。女性の入職を促すためには社会全体、建設業界全体の働き方を変えていかなければならないと考えています。 (つづく) 【座談会出席者】 ○利根川上流河川事務所 ・武笠裕美古河出張所長 ・山岸純子管理課維持係長 ・與儀亜希子計画課専門員 ・内藤ゆりか調査課技官 ○受注者 ・澤田琴音担当技術者(本田建設) ・関根綾香現場代理人(小川工業) ・水谷恵担当技術者(潮田建設) ・山本和代主任技術者(GRAND) ・坂井夏稀オペレーター(Atos) ・上原妙子担当技術者(常陽建設)

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