業界記事

建築設計監理協会が第24回卒業設計コンクールを開催、菅野大輝さん作品が県知事賞に

2024-04-23

 埼玉建築設計監理協会(神田廣行会長)は21日、第24回卒業設計コンクールを埼玉会館第3展示室で開催した。建設業界の未来を担う人材を育成するため、都市や建築デザインをテーマに意欲ある作品を募るもの。県内が舞台の26作品、地域を問わない14作品が審査対象となり、県知事賞に菅野大輝さんの「額縁から見る-建築の作品化による街道沿いの分散型展示廊-」が選ばれた。
 神田会長は式の冒頭に「今回は審査をオープンにする」と説明。前回までと異なり、審査中も学生の氏名と大学を公表する方式に変更したほか、特別審査員賞の審査も学生らの前で行うなどの新たな試みを紹介した。
 県内を舞台とする作品が対象の「県知事賞」は菅野大輝さんの作品が受賞。桶川市に点在している複数の歴史的建築物を部分的に改修・増築し、建築物ごとの特徴を表現する「額縁」を設けることで、各建築物を結び付けた分散型展示廊を整備することを提案した。
 地域を問わない「埼玉建築設計監理協会賞」は久保桜子さんの「流動的図書空間―個性の片影が集う本棚の世界―」が選ばれた。従来の図書館とは異なり本を置く場所を固定せず、利用者が館内を巡りながら、本を通じて新たなもの・ことに出会える場を提供する図書空間を示した。
 審査員長を務める岩城和哉東京電機大学教授は「本コンクールでは埼玉を主軸にした作品を積極的に募っている。県知事賞・準埼玉賞の受賞作品は、その土地のことを深くリサーチし、土地の特徴を建築へ上手に翻訳して組み込んだ点がポイントだった」と解説。
 続けて「建築とは場所に根ざして存在するものが大半。場所との対話は様々な建築的ヒントを与えてくれる。本コンクールをきっかけに、土地のことを深く掘り下げて、きちんと翻訳することを意識してほしい」と参加者に総評を述べた。
 受賞者の概要は次のとおり。
【県知事賞】
 ▽菅野大輝(工学院大学建築学部建築デザイン学科)=額縁から見る-建築の作品化による街道沿いの分散型展次廊-
【準埼玉賞】
 ▽池見紀乃(筑波大学芸術専門学群環境デザイン領域)=水文化ユニットのリデザインによる槻川の流域治水
【埼玉建築設計監理協会賞】
 ▽久保桜子(工学院大学建築学部建築デザイン学科)=流動的図書空間―個性の片影が集う本棚の世界―
【準埼玉建築設計監理協会賞】
 ▽岸ちひろ・柳澤貫太(協働)(東京電機大学理工学部理工学科建築都市環境学系)=キノループ~林業の郷、70年構想~
【特別審査員賞】
 ▽行川慧(東洋大学理工学部建築学科)=コモンインフィル 既成住宅街の再興
 ▽山崎翔大朗(工学院大学建築学部建築デザイン学科)=「振る舞いを貯める」―物流現場に築く「ひとの為の倉庫」―
 ▽竹島綾里(実践女子大学生活科学部生活環境学科=都市型高層建築構成法
【埼玉県住宅供給公社賞】
 ▽早川航平(日本大学生産工学部建築工学科)=「ケア」担う浮屋根―既存団地改築による介護家族の新しい暮らし―
【さいたま住宅検査センター賞】
 ▽吉里聡真(芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科=シネマアップデート計画―変化する映像媒体と映画館の在り方―
 ▽石橋怜奈(東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科)=出合い、深める 才能を発散できる場所
【総合資格学院賞】
 ▽樅山大耀(芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科)=Elementary Garden-学習指導要領の変遷における小学校の再考-
 ▽久保田知里(芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科)=感性的美しさを魅せる
【JIA埼玉最優秀賞】
 ▽岸ちひろ・柳澤貫太(同上)
【JIA埼玉優秀賞】
 ▽藤村圭央莉(ものつくり大学技能工芸学部建設学科)=算数でつなぐまち
 ▽高橋陸(日本工業大学建築学部建築学科建築コース)=トロッコが走る幸手の横丁鉄道
【日建学院賞】
 ▽岸ちひろ・柳澤貫太(同上)
 ▽松岡実優(実践女子大学生活科学部生活環境学科)=真仮想空間~さいたま市庁舎跡地活用計画~

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