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【24年度新規採択】広島でダム新設/北海道でダムかさ上げ計画
2023-08-07
国土交通省は2024年度予算に関して直轄のダム事業の新規採択として糠平ダム再生事業(北海道)、太田川総合開発事業(広島県)の2事業で採択時評価を実施。糠平ダムは既設ダムのかさ上げ、太田川では既設の樽床ダムで有効活用、さらに洪水調節容量約3000万立方mの新規ダム建設が盛り込まれている。月末とみられる24年度予算概算要求前に評価結果を公表する。
7日の社会資本整備審議会河川分科会事業評価小委員会で国交省が明らかにした。会議冒頭、廣瀬昌由水管理・国土保全局長は北九州、日本海側、太平洋側で大雨による被害がでていると話し、ダム事業は「ピーク水量を下げる機能がある、流域治水の要となる事業」とし、しっかりした事業スキームを議論していくと語った。なお、2事業とも小委員会では予算化が妥当と結論付けた。
北海道上士幌町にある糠平ダムの再生事業は、発電ダムとなっている同ダムに対し、堤頂嵩上げと合わせて、利水容量の一部を洪水調節容量に振り替えることで、約5550万立方mの洪水調節容量を確保し、治水機能を付加するもの。総事業費は約880億円。腹付けする形で、堤頂かさ上げは6mを想定している。
十勝川水系河川整備計画(23年3月変更)には、洪水時の流量を調節するための対策として「既存ダムの有効活用については、必要な対策を講じる」と位置付けている。
広島県北広島町にある樽床ダム等の既設ダムの有効活用と安芸太田町の太田川本川上流部における新規ダムを整備。洪水調節機能の向上を図る。総事業費は約1700億円を見込む。新規ダムは・ダム高約100mを見込む。
太田川水系河川整備計画(20年11月変更)では太田川上流部において「洪水調節機能の向上を図るため、樽床ダム等の既設ダムの有効活用および太田川本川上流部における新規ダムの整備に向けた調査・検討を行い、必要な対策を実施」とし、実施にあたっては「関係機関と十分な調整を図りながら調査・検討」を行うことが示されている。
新規事業に採択されれば実施計画調査へ着手する。
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