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栃木市斎場再整備事業、来月に実施方針・要求水準書公表、来年12月に事業者選定、総合評価で年度末公告

2019-09-06

 斎場再整備事業にBTO方式を導入する栃木市は、年度末を目途に総合評価落札方式による条件付き一般競争入札を公告する。これに先立ち、10月には実施方針と要求水準書案を公表する。来年12月には事業者を選定し、設計・施工、維持管理運営業務を特別目的会社(SPC)に一括委託する。設計・施工に2年9カ月を見込み、2023年10月の供用開始を目指す。維持管理運営期間は15年間に設定する。
 新斎場の移転新築場所は、南部清掃工場跡地(岩舟町三谷)の敷地2万4800平方m。2月に都市計画決定した。現斎場(平井町338)は20年度から跡地利活用策の協議を開始。新斎場完成後の23年度に解体設計、24年度に解体撤去する。
 市は合併特例債で新施設建設費の90%を調達し、新斎場完成時にSPCに支払う。残り10%は民間資金を活用。契約は市とSPCだけで済み、市の事務事業の大幅な合理化が図られる。性能発注だけに、民間企業のノウハウ発揮とともにコスト削減が期待できる。
 PFI法(民間資金の活用による公共施設整備等の促進に関する法律)に基づく実施方針、要求水準書、特定事業者の選定、費用積算、要項作成、協定書作成、本契約、設計モニタリング全般はパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)が担当する。
 火葬場の建物はRC造2階建て延べ床面積4700平方m規模。火葬炉8基を設置する。1日当たりの最大火葬件数は16件。火葬時間は午前9時から午後4時まで。年間の稼働日数は300日。駐車場は100台(マイクロバス、身障者用を含む)。
 ①火葬(告別室、収骨室、火葬炉室)②待合(待合室、待合ロビー、ベビールーム、キッズルーム、売店)③式場(式場、控室)④管理(事務室)-の4部門で構成。事業形態は市が毎年一定額を支払い、事業者は収入による投資を回収するサービス購入型となる。
 施設整備はバリアフリー新法に基づくユニバーサルデザインを用いた設計とし、落ち着きと安らぎを与えるデザインを採用。最新鋭の設備機器を備え、環境に優しい施設を建設する。省エネ法を順守し、建設コストと維持管理コスト両面の低減に努める。
 現斎場は敷地面積6899平方m。1979年に全面改築し、火葬棟(RC造2階建て延べ407・79平方m、火葬炉5基)、待合棟(RC造平屋建て319・89平方m)、書庫(126・94平方m)、残灰保管庫(11・36平方m)が再整備された。
 敷地が狭い上に築40年が経過した建物群は一斉に老朽化。1市5町の合併で市域が広がり、2035年度の火葬件数は年間2630件に上ると予測。1日平均8・7件、1日最大16件の火葬需要を推計。現施設の火葬能力は1日最大8件にとどまり、対応が困難。
 市では12年度に基本構想、14年度に基本計画を策定。14~15年度で4候補地を選定し、16年度に建設地を決定。16~17年度で10項目の環境影響評価を実施。18年度に一時中断した。当初予定の21年度の供用開始目標は大幅に遅れている。

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