業界記事

【ダムの洪水調節】異常豪雨に備え新たな対策提言

2018-11-28

 異常豪雨が頻発する中でダムの効果的な操作や活用方策、有効な情報提供の在り方など洪水調節機能に関する検討を進めてきた国土交通省の有識者会議が提言案をまとめた。対応が必要な課題については①直ちに対応すべきこと②速やかに着手して対応すべきこと③研究・技術開発等を進めつつ対応すべきこと―の3つに分けて新たな対策を提案している。
 提言のうち、できるだけ早期に効果を発現させるため、現時点の技術水準等で実施可能な取り組みは直ちに実施すべきと指摘。具体的にはダムの操作規則の点検、利用者等との調整による事前放流の充実、ダムの容量を確保するための土砂対策、ダム下流河川における浸水想定図等の作成、放流警報設備等の改良と施設の耐水化、電力供給停止時におけるダム操作に必要な電源等の確保などを盛り込んだ。
 速やかに着手して対応すべきことでは、洪水調節機能を有効に活用するためのダム下流の河川改修、事前放流の充実に向けたダム再生、市街地における浸水想定深の表示などを提案した。また洪水調節機能を有するダムでは、より大きな洪水に対して防災操作を行えるよう堤体をかさ上げするなどダム再生の推進を求めた。ダム再生の効果発現時期をさらに早めるため、例えば付替道路等の公共施設の補償よりも本体工事を先行するといった、ダム再生事業を加速させる方策の検討も提言している。
 7月の豪雨では西日本を中心に各地で甚大な洪水被害が発生。国交省が所管する213のダムで洪水調節が行われ、被害軽減を図った。一方で洪水調節を行ったダムの中で、8つのダムでは甚大かつ長時間にわたる記録的な豪雨に伴い、洪水調節容量を使い切る見込みとなり、ダムへの流入量と同程度の放流量とする異常洪水時防災操作に移行していた。

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