茨城県の入札に関するわかりやすいまとめ。入札制度・参加資格・電子入札などを解説

関東の北東部に位置し、人口27万人の水戸市をはじめ44の市町村を抱える茨城県。この記事では茨城県の入札制度と、電子入札システムを利用した入札の参加方法について、初めての方にもわかりやすく解説していきます。

茨城県の入札制度について

茨城県の入札制度は、他の多くの都道府県と同様「電子入札」が中心になっています。ただし茨城県では「工事・コンサル」と「物品・役務」で入札システムがそれぞれ独立しているため、利用の際は注意が必要です。

入札情報の公開場所

茨城県の入札情報は、県ホームページの「入札・調達」に集約されています。たとえば、これから発注される予定の公共工事については「茨城県公共工事入札予定情報」、物品・役務の発注見込み情報は「発注見通し情報(物品)」から確認可能です。

一方、具体的な入札情報(入札条件や入札日程など)や過去の入札案件については、「入札情報サービス」から確認します。「工事・コンサル」、「物品・役務」それぞれの入札情報サービスは以下のリンクです。

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どのような入札案件がある?

太平洋に大きく面した地形、大規模な河川(利根川)や湖(霞ヶ浦)を持つ茨城県。公共工事の入札案件では、道路関係の土木工事の他に橋梁工事や河川・海岸の保全工事などが目立ちます。

ちなみに「2021年(令和3年)5月」に公開された茨城県の入札案件数は以下の通りです。

入札案件の種類一般競争入札指名競争入札
工事97件251件
コンサル0件128件
入札案件の種類一般競争入札随意契約
(特定者、複数参加、オープンカウンタ)
プロポーザル
物品・役務197件849件25件

このように、茨城県では一般競争入札よりも指名競争入札や随意契約が多めです。地元の事業者や、すでに茨城県内で実績のある事業者ほど比較的有利な環境と言えるかもしれません。

茨城県と同じ電子入札システムに参加している自治体

電子入札が中心の茨城県では、工事・コンサルの入札に「いばらき電子入札共同利用」という電子入システムを利用しています。2021年6月現在、「いばらき電子入札共同利用」に参加しているのは、茨城県を含む以下の30の団体です。

県北地域・5団体常陸太田市・高萩市・北茨城市・常陸大宮市・大子町
県央地域・7団体水戸市・笠間市・那珂市・小美玉市・ひたちなか市・城里町・東海村
県西地域・4団体古河市・常総市・筑西市・坂東市
県南地域・8団体土浦市・石岡市・取手市・つくば市・守谷市・稲敷市・かすみがうら市・阿見町
鹿行地域・5団体鹿嶋市・潮来市・神栖市・行方市・鉾田市

一方、物品・役務の電子入札を行う「茨城県電子調達システム」には、茨城県、水戸市、笠間市、つくば市の4団体のみ参加しています。

茨城県の電子入札システムに参加していない自治体

「いばらき電子入札共同利用」に参加していない自治体は、以下の15団体です。

県北地域・1団体日立市
県央地域・2団体茨城町・大洗町
県西地域・6団体桜川市・結城市・下妻市・八千代町・境町・五霞町
県南地域・6団体つくばみらい市・牛久市・龍ケ崎市・美浦村・利根町・河内町

これらの団体では、それぞれ独自の入札制度を運用しています。詳しい入札情報については、各市町村の公式ホームページか、茨城県ホームページの「県内市町村発注見通し」を確認してください。

「いばらき電子入札共同利用」について

電子入札システム「いばらき電子入札共同利用」には、茨城県(を含む30団体)の工事・コンサル入札案件が掲載されています。システムの機能は以下の3つです。

機能利用可能日時
資格申請システム・利用者情報の新規登録
・利用者情報の変更
・ICカードの更新
9:00~18:00(月曜日~金曜日) 土・日・祝日、12月29日~1月5日を除く
電子入札システム・入札書、再入札書、見積書の提出
・入札結果通知書、評価完了通知書の受理
入札情報サービス・入札公告、結果の確認
・競争入札参加資格者名簿の閲覧、等
24時間運用(システム障害時・メンテナンス時を除く)

※「いばらき電子入札共同利用」は物品・役務の入札案件には対応していません。物品・役務については茨城県ホームページ「システムの入口・お知らせ」にある「電子調達システム」「入札情報サービス」のリンクから、情報検索と入札手続をします。

「いばらき電子入札共同利用」のシステム要件

「いばらき電子入札共同利用」を利用するには、パソコン・ソフトウェア・ネットワークの事前準備が必要です。システムの推奨環境は以下の通りです。

①パソコン

  • 本体
    • CPU:Celeron1000M 1.8GHz 同等以上推奨
    • 搭載メモリ:2.0GB以上推奨
    • HDD:1ドライブの空き容量が10.0GB以上
    • GPU:WDDM対応グラフィックプロセッサ(VRAM128MB以上)推奨
    • ICカードリーダライタが接続できること
  • インターフェース
    • インターネット回線及びICカードリーダを接続するためのインターフェース
  • 周辺機器
    • ICカードリーダ

②ソフトウェア

  • OS(全て日本語版)
    • Windows 8.1(32bit版/64bit版) Professional
    • Windows 10 Pro
  • ブラウザ
    • Internet Explorer 11
  • 実行環境
    • 電子入札補助アプリ(認証局で提供しているもの。「Version 1.0.0」を推奨)
  • 電子入札対応ソフト
    • ICカードを電子入札システムで使用するためのソフトウェア(認証局から提供)

③ネットワーク環境

  • 回線
    • インターネットに接続できる環境(ISDN,ADSL,光回線等)
  • プロバイダ
    • プロバイダ契約 ※以下の通信プロトコルが通過可能なプロバイダであること
      • HTTP:Hypertext Transfer Protocol
      • HTTPS:Hypertext Transfer Protocol Security
      • LDAP:Lightweight Directory Access Protocol
  • ファイアーウォール(必須ではありません)
    • 社内LANへのファイアーウォール設置、もしくはセキュリティソフトのファイアーウォール機能 ※以下の通信プロトコルの通過を許可しておくこと
      • HTTP:Hypertext Transfer Protocol
      • HTTPS:Hypertext Transfer Protocol Security
      • LDAP:Lightweight Directory Access Protocol
  • バックアップ(必須ではありません)
    • 不慮の回線障害などに備えたバックアップ環境

「いばらき電子入札共同利用」のトップ画面

「いばらき電子入札共同利用」のトップ画面です(ページ下部を一部カットしています)。

画面の上部には操作方法のマニュアルやFAQ、問合せ画面などのリンクが並び、中央にはシステム利用に関する「重要なお知らせが掲載されています。その下にあるひときわ大きいボタンが、「利用者登録」「電子入札システム」「入札情報サービス」へのリンクです。

茨城県の入札案件の探し方

茨城県の入札案件は、原則として「入札情報サービス」から探します。

工事・コンサルの入札案件

工事・コンサルの入札案件は、専用の「入札情報サービス」から検索します(物品・役務の入札情報サービスとは別物です)。以下はトップ画面です。

「関連機関名」で団体(茨城県、など)を選択して、中ほどにある「工事」「コンサル」のリンクをクリックすると次の画面に変わります。

ここでは主に、「競争参加資格情報」「発注情報」「指名入札案件情報」「入札・契約結果情報」について検索できます。現在受付中の入札案件を探す場合は、2番目の発注情報をクリックします。

この画面では、「入札方式」(一般競争入札、指名競争入札など)や入札案件の公開年月日などを指定できます。目当ての入札案件が決まっている場合は、工事名や工事場所で情報を絞り込むことも可能です。

物品・役務の入札案件

物品・役務の入札案件を調べる場合は、こちらの「入札情報サービスシステム」を利用します。

情報検索の方法は、工事・コンサルの入札情報サービスとほぼ同じです(以下、省略します)。

「 工事・コンサル 」 、「物品・役務」を同時に閲覧することや業種を指定して抽出することが出来ないため不便ですが、入札ネットであれば1回の検索で情報を絞り込み必要な情報だけを確認することも可能です。 まずは、14日間無料でお試しいただけますので、ぜひご検討ください。

電子入札で茨城県の入札に参加するには

電子入札システムで入札参加するには、事前の利用者登録が必要です。

工事・コンサルの入札「いばらき電子入札共同利用」の「利用者登録」リンクから登録
※認証局から入手(EUC)購入したICカードカードが必要
※認証局については「電子入札コアシステム開発コンソーシアム」を参照
物品・役務の入札いばらき電子申請・届出サービス」の「物品調達等競争入札参加資格審査申請手続き」から登録
※「いばらき電子申請・届出サービス」の利用者登録、もしくはメールアドレスが必要

茨城県の入札参加資格審査を申請するには

公共工事の入札に参加するには、「入札参加資格者名簿」への登録が必要です。新規に登録する場合、もしくは「業種や申請先自治体の追加」をする場合は、

  1. 提出書類の作成
  2. 電子申請システムでデータを登録
  3. 関係書類を郵送

という手順で、入札参加資格申請を行います。詳しい申請手順については「入札・調達」ページの下の方にある、最新の「入札参加資格申請」を参照してください。

まとめ

今回は茨城県の入札制度について詳しく説明しました。他の県同様に電子入札を取り入れている茨城県ですが、工事・コンサルと物品・役務でシステムが分かれています。入札参加を検討されている方は、ぜひこの記事の内容を参考にしながら目当ての情報を探してみてください。

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