業界記事

【国土交通省インタビュー】 国土政策局長 木村実氏「地域生活圏の実現を」

2022-11-24

新たな国土形成計画の方向性を語る木村局長
 国土交通省では、新たな国土形成計画の策定作業を進めており、7月には国土審議会の計画部会が全国計画の中間取りまとめを行った。国土政策局の木村実局長は、中間取りまとめに対して岸田文雄首相から、さらなる深掘りに加え、新しい資本主義やデジタル田園都市国家構想を実装できる計画になるよう関係省庁と連携し、民間の意見も聞きながら施策を考えるよう指示されたことを明かす。「中間取りまとめでは、地域生活圏という新しい圏域論を打ち出した。デジタルの力をある程度活用することによって利便性が出て来るため、人口10万人でもある程度質の高いサービスを保ったまま一つの圏域が成立するのではないかという発想に立っている」と説明。さらに「新しい形での官民の連携組織みたいなものが必要ではないか。民間主体の組織を地域生活圏にきちんと置いて、その主体が必要なサービスを実施していく生活圏を構想できないかと考えている」と話す。
 また、地方自治体が単独でインフラメンテナンスを行うことが厳しくなる中、最近では「インフラメンテナンス群」という新しい概念が生まれている。「インフラメンテナンスも自治体ごとではなく、広域で束ねてプランを作って民間主体の組織にある程度任せていくような芽が出てきているので、それを生かした新しい地域生活圏を作っていきたいというのが一つテーマ」と考えている。
 重点的に取り組む分野の一つに位置付けられたスーパー・メガリージョン構想に対しては「東京、名古屋、大阪が1時間前後でつながるということは大きなインパクトがあることは間違いない。ただし単に大都市圏を結ぶだけではなくて、地方振興にどう生かすかが大事。首都圏、中部圏、近畿圏が便利になるのは確かだが、今まで縁がなかった地域も便利になる。地方都市に中間駅ができることもポイントで、高速道路のインターチェンジも近接するため、道路を含めた高速交通ネットワークができる。太平洋ベルト地帯ではない、もう一つの軸ができる意味も大きい」と強調する。
 建設市場整備課長時代、制度検討に携わった建設キャリアアップシステムは、技能者登録数が10月末で100万人を超えた。木村局長は「本当に感慨深い。職人の地位向上や処遇改善につながっていくことを期待したい」と語った。
 
【略歴】きむら・みのる
 1989年長岡技術科学大学大学院工学研究科修了、国土庁採用。国交省土地・建設産業局建設市場整備課長、国土政策局総合計画課長、同局総務課長、民間資金等活用事業推進機構執行役、国交省大臣官房審議官(総合政策局担当)を経て本年6月28日付で現職。58歳。新潟県出身。趣味はゴルフ、書道、ジム通い。
 

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