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品確議連の幹部が国交省へ適切な対応を指示した |
自由民主党の公共工事品質確保に関する議員連盟(品確議連、根本匠会長)は21日に幹部会を開き、働き方改革や賃上げ加点の実行状況と改善すべき課題、物価高騰対策、BIM/CIMの取り組み状況などについて協議した。物価高騰対策の関係では、スライド条項の取り扱いが国土交通省の直轄工事では進んでいるものの、地方自治体には十分に浸透していないことを問題視。根本会長は「単品スライドとインフレスライドの違いが分かっていない場合が多いので、受注者の立場できちんと対応してもらいたい。物価高騰は大きな課題であり、受注者に制度の趣旨を正しく伝えて運用してほしい」と要請。リーマン・ショック以来の適用となるため、受注者に誤解がないよう国交省へ適切な対応を求めた。
佐藤信秋幹事長も、対象工事費の変動額合計が対象の単品スライドと、残工事費の変動額合計が対象のインフレスライドは品目の適用可否で差が出るとし「一品だけでもやってみようというのが単品スライドだが、今は全ての品目が上がっているので単品スライドは意味がなく、インフレスライドが有効だということを説明してあげる必要がある」と指摘した。
国交省直轄工事の総合評価落札方式における賃上げを実施する企業に対する加点措置の実施状況によると、8月末までに約2500件の工事が対象となり、競争参加者のうち約6割、実績確認の対象となる落札者のうち約7割が賃上げを表明している。根本会長は、等級別や工種別の賃上げ表明状況をさらに分析し、賃上げを表明しない原因等を含めたデータの深掘りを指示した。
また、根本会長は2024年度から建設業でも時間外労働に対する罰則付き上限規制が適用されることに触れ「施行前になると課題が出て来るが、5年間の猶予期間が設けられている。具体的に現場でどのような課題が出ているのかは現場でしか分からない。一番よく分かっているのは業界団体なので、具体的にどこがネックになってくるのか。意見を集約し、どのように対応できるのか提言をお願いしたい」と述べ、業界の意見を吸い上げながら政策に反映させる考えを示した。