業界記事

【メンテナンス・レジリエンス】 無電柱化で災害に強い島を/小池都知事が取り組み紹介

2022-07-25

取組み語る小池都知事
 日本能率協会が東京ビックサイトで20日から22日までの3日間にわたり開催した「メンテナンス・レジリエンスTOKYO」では多くの有識者、実務者、行政関係者が講演を行った。
 初日には東京都庁建設局が「東京都の無電柱化の取組について」と題して、無電柱化推進担当部長の福永太平氏が講演を行い、小池百合子都知事も冒頭あいさつに立った。
 小池知事は「昨年6月に東京都無電柱化計画を改定、今年1月に東京都島しょ地域無電柱化整備計画策定と次々と対象を絞りながら無電柱化を進めてきたところ。東京五輪、特にパラリンピックはバリアフリー整備など、まちづくりへの大きなきっかけとなり、コア・センターエリアの都道無電柱化を99%完遂することができた」とこれまでの取り組みを振り返った。また「都道、国道だけではなく、市区町村をサポートし包括的な無電柱化を進めていく」とした上で「自然災害の頻発化、激甚化が常態化しつつある。東京都の中でも特に島しょ部は激甚化した台風災害による送電網への被害が深刻になっている。内地では道路の状況などを精査し進めているが。島は島を丸ごと無電柱化しモデルケースとして災害に強い島として効果を検証し、島しょ部自治体に参加を促すという形で進めている。これは今年からの新しいアプローチだ。新しい技術、取り組みも取り入れて内地への反映にも期待したい。観光産業再建にもつながる、島の素晴らしい景観をより楽しめるようにしたい」と新たな取り組みを紹介した。さらに「新しい技術のブレイクスルーだけでなく住民の方々の理解、注目も大切だ。現場で働く皆さまのおかげで良い実例ができ、この取り組みが良いものであると広まることを祈念する」と締めくくった。
◎国土強靱化へ大胆な財政出動を
熱弁をふるう藤井教授
 開催二日目には、京都大学大学院工学研究科の藤井聡教授が「感染列島強靱化」というタイトルで登壇。統計に基づいた感染対策と経済の両立の重要性について各国との比較を論じた後。国土強靱化と災害対策も比較して紹介。日本の荒川とアメリカ、イギリス、オランダの3カ国の主要河川を比べた場合、日本は台風大国であるのに整備率が67%にとどまってることを指摘し「これまで長くインフラ整備を悪者にしてきた風潮は間違い。荒川は日本の政治経済の中枢である東京都心部を流れる川、これが67%。他の地方河川はもっとひどい惨状だ。これを当然と考えず、大規模な財政出動によってインフラ、防災整備を整えない国は滅びてしまうかもしれない。科学的な思考を持って災害に立ち向かう国でなければ国土の強靭化はできない」と警鐘を鳴らした。
 

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