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　安藤ハザマ（東京都港区）とコベルコ建機（東京都品川区）は、油圧ショベルの自動運転技術の確立に向けた実証実験を実施した。

　両社は油圧ショベルの自動運転推進の研究開発を促進するために、双方の強みを生かして共同研究を行うこととし、2019年4月に協定を締結。安藤ハザマは現場へ適用するための施工と安全に対する管理システム開発や現場運用ルール化を、コベルコ建機は主に自動運転の油圧ショベルシステム開発を担っている。19年秋には、安藤ハザマが施工中の国内ダム建設現場で、タブレット端末を利用したティーチングとプレイバックによる油圧ショベルの単純な自動運転作業の実証実験を行った。

　それを踏まえ、安藤ハザマの技術研究所において、重機オペレータ1人が通常の油圧ショベルを操作しながら自動運転ショベルの運転管理を行う実証実験を実施。自動運転ショベルが土砂の掘削からダンプトラックへの積み込みを行い、その土砂の供給をもう1台の油圧ショベルが手動運転で行った。今回の実験では、自動運転に必要とされる「認知」「判断」「操作」などの要素技術のうち、「認知」にAIを適用させることで、物体を認識、距離を測定するとともに、その情報から目標位置を自動調整することで現場での状況変化に対応できることを確認。また、プレイバック中の自動運転状況は、作業者がリアルタイムにタブレット端末で確認することができた。加えて、バケット爪先の3次元軌跡をリアルタイムに計測。計測データは、将来的に自動運転の監視や施工状況の管理に利用が可能だ。

　両社は共同研究の成果をもとに、自動運転の高度化と実用化に向け、これからも協力していく。