業界記事

【令和の建設業】 国土強靱化待ったなし/緊急対策延長が試金石に

2020-09-18

 16日に発足した菅内閣は、安倍政権が進めてきた取り組みを継承し、前に進める考えを表明した。2021年度予算概算要求の期限が今月末に迫る中、注目は安定した公共事業費の確保だが、菅首相が自民党総裁選で掲げた政策内容や同日閣議決定した新内閣の基本方針では「国土強靱化」の文言も含めて何も触れられていない。危機管理の項目において「自然災害など、あらゆる緊急事態・危機に迅速かつ的確に対処する」とした程度だった。
 今まさに迫り来る脅威としては新型コロナウイルス感染症のほか、激甚化・頻発化する自然災害を抜きには語れない。先の総裁選では2位に終わったものの岸田文雄議員は「岸田ビジョン」の中で、毎年発生している激甚な水害・土砂災害や大規模地震などに備えるため「災害に強い地域づくり」を掲げていた。本年度に期限を迎える「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」について、政権与党や地方自治体からは緊急対策の5年間延長という具体的な数字を示した強い要望が上がっている。菅内閣発足に伴い、主要建設業団体からも緊急対策の拡充・延長を求める声が相次いだ。災害発生後の対応は当然ながら、発災前の段階から進めるべき災害に耐え得る国土の強靱化は待ったなしの状況にある。まずは緊急対策の5年間延長が新政権の姿勢を見極める上で一つの試金石となる。
 地方の活性化は、地方の安全・安心が確保された上で成り立つ。それを縁の下で支える「地域の守り手」としての地域建設業の存在も忘れてはならない。安倍政権の取り組みの継承・発展と「日本の全ての地方を元気にしたい」という菅首相の思いを踏まえれば、地方の切実な声に速やかに応える必要がある。それだけ優先順位も高いはずだ。
 菅内閣で再任された赤羽一嘉国土交通大臣は、7月にまとめた「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」や計画的・重点的な社会資本の整備、インフラ分野等におけるデジタル・トランスフォーメーションの推進などについて、引き続き「現場主義」を徹底しながら国交省の総力を挙げて取り組む考えを表明した。
 「国民のために働く内閣」が看板倒れにならぬよう、かつてない難題が山積する中で船出した新内閣の針路が注目される。
 

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