国土交通省の石原康弘大臣官房技術調査課長は建設専門紙の共同インタビューに応じ、「社会資本の整備・管理は東日本大震災以降、地域の経済や生活を支えるために重要という認識が広がってきたと思う。発注者である国交省と仕事をしていただく建設業者が緊張感を持って良い関係を築くことが、特に今後の地方の発展には不可欠」との見解を示した。
建設現場の生産性向上を図るi-Construction(アイ・コンストラクション)の取り組みについては、「ICT土工では大規模なものから導入しているが、これを徐々に広げて全面的な展開が図れるようにしていきたい。また、コンクリート工の規格の標準化、施工時期を平準化していくことで建設現場が全体的に効率的で効果的な仕事が出来るように努める」意向だ。
さらに労働者の減少に対応し、現場の生産性を上げるためには地方自治体でもICT土工をはじめとしたアイ・コンストラクションの取り組みが重要になるとし、「特に地域のトップ企業には率先して取り組みを実施していただきたい。今の取り組みが停滞することがないように進めていきたい」と話す。
今後の担い手確保に向けては、「魅力ある現場を作るための積算体系を検討していきたい。公共工事設計労務単価は2月に4度目の改正を行った。週休2日を確保するためのモデル工事も進めている。今後も建設業界とコミュニケーションを取りながら適切な現場環境を考えていく」とした。
新技術については、「直轄工事では活用されているという認識はあるが、まだ現場で使いたい技術はあると思うので、スムーズに現場に導入できるように評価や手続きを見直していきたい。実際に新技術を使った時の監督や検査のあり方も併せて検討する」との見通しを示した。
【略歴】いしはら・やすひろ
1987年九州大学大学院工学研究科修了、建設省採用。国交省大臣官房技術調査課建設技術調整官、道路局企画課道路事業分析評価室長、和歌山県県土整備部技監、同部長、近畿地方整備局道路部長を経て本年6月21日から現職。1962年11月生まれ。53歳。鹿児島県出身。