登録基幹技能者制度推進協議会(三野輪賢二会長)は10日に国土交通省を訪れ、土地・建設産業局の谷脇暁局長をはじめとする関係部局に対して登録基幹技能者の適正な評価と有効活用を求める要望書を提出した。「建設現場の要」であり、昨年度末に資格保有者が33職種で約5万人となった登録基幹技能者の位置付けを明確にするため、協議会では発注機関や業界団体への要望活動に力を入れていく。
要望内容のうち、公共工事における評価・活用の促進では、総合評価落札方式で加点措置を行う対象工事の拡大や、現場への配置を契約上義務付けるなど、活用方策の一層の検討を求めた。
また、登録基幹技能者について経営事項審査における技術力評価のほかに、建設業法第26条の主任技術者として位置付けることを要望。さらに2017年度の導入へ検討が進む建設キャリアアップシステムで登録基幹技能者が最高ランクと分かるように特別の位置付けを与えることも求めた。
〈記者の眼〉
登録基幹技能者制度は発足から8年が経過し、資格保有者数が5万人を超えたが、発注者や元請企業の認知度はまだまだ低く、十分に活用されていない。また、評価制度を導入した自治体でも活用実績がない例も目立つ。職種にもよるが、もっと認知度が上がり、活用のメリットが実感できない限り、「配置の義務化」の実現は難しいのではないか。
元請企業では特に地場ゼネコンで制度の認知度が低く、「現時点であまり役立っていない」との意見もある。認知度の向上と活用した企業が得をする仕組みの構築が必要不可欠だろう。