業界記事

【CM方式+記者の眼】 普及促進へ自治体向けに活用事例紹介

2016-06-06

 国土交通省は、工事監督業務など発注関係事務の一部または全部を民間へ委託するCM方式を公共工事でも普及させるため、地方自治体の参考となるようにCM方式活用事例集を作成した。ホームページで公開している。
 国内でCM方式を活用した先進的な24事例を教育施設、病院、庁舎・その他に分類し、課題や成果、契約概要、実施体制、活用の要点など実際にCM方式を導入する際の具体的な手続きについて、参考となる情報をまとめたもの。また、事業が抱える課題とCM方式導入の成果に関する重要な項目を抽出し、▽品質▽コスト▽スケジュールごとに分類することで、導入成果が具体的に把握できるように整理した。
 事例集のうち庁舎関係では、経験のない事業を設計・施工一括発注方式で進める際の適切な品質管理や、狭い敷地内で同時進行する複数事業間の円滑な施工調整などがCM方式導入の目的として紹介されている。
 土地・建設産業局建設業課入札契約制度企画指導室では「多様な入札に取り組む自治体の事例を知ってもらい、幅広く活用していただきたい」と呼び掛けている。
 
〈記者の眼〉
 民間工事では活用が進みつつあるCM方式だが、公共工事での活用例はまだ少ない。今回の事例集では完成済みの施設だけでなく、今後着工する施設も含まれているため、同様の施設発注を計画する自治体にとって、大いに参考になるだろう。
 改正品確法では公共工事の発注者は「自ら発注関係事務を適切に実施することが困難であると認めるときは、発注関係事務の全部又は一部を行うことができる者の能力を活用するよう努めなければならない」とされた。要するに自信がなければCM方式に頼りなさいということ。国交省が進める多様な入札契約方式モデル事業の採択案件ではCM方式の導入を検討する例が多いことから、今後、未経験の大規模事業を発注する際にCM方式を検討の俎上に載せる自治体が増える可能性がある。
 ただ重要なのは発注者が自らの現状を把握した上で、できない部分を補完してもらうこと。CMR(コンストラクション・マネージャー)に全て丸投げするのではなく、最終的な判断は発注者が行うという意識を忘れてはならない。
 

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