業界記事

《連載③》 【原点回帰~複業で地域を支える~】地元で〝建設サービス業〟を展開

2019-08-08

 岡山市最北部にある旧建部町は、人口が約5600人(約2500戸)と市全体の1%以下で、加えて高齢化率が40%を超える過疎高齢化地域。同町で土木事業などを営む小坂田建設(小坂田英明社長)は、10年前から〝お家周りの町医者〟として高齢者らの住まいの修繕や農地維持の活動に取り組み、地域が抱える悩みと向き合っている。「地域の課題を解決し、持続可能な地域社会の構築に寄与しなければならない」。小坂田社長は建設業の役割をそう説いた。
 公共事業費の削減などで売上が低下し、社業の継続が困難になったことがきっかけだった。安定的な売上を確保しようと地元で個人顧客の工事を積極的に受注する活動を始めた。
 手始めとして、会社の「見える化」に取り組んだ。地元で飲食の無料提供やゲーム大会、建機体験などのイベントを開催して自社をPR。仕事内容などの情報を発信する折り込みチラシも全戸に毎月配布した。
 当初は社名もあまり知られていなかった。また、小さな仕事はしないというのが地元住民の建設業に対するイメージだった。しかしイベントなどを継続し、『困った時はおさかだ建設』という認識が広まった。現在は数千円から数百万円までのさまざまな工事の依頼を受けている。
 地元に寄り添うことで住民のニーズも分かってきた。小坂田社長は、ビジネスの切り口として▽高齢化▽過疎化▽少子化▽業者の空洞化▽中山間―を挙げる。例えば「高齢化」では、介護に伴う手摺りやスロープの設置、「過疎化」はで空き家の解体、「少子化」では、後継者不足による水田の耕作といったニーズに対応する。「お客様の困りごとをワンストップで解決し、対価を頂く〝建設サービス業〟の考えで事業を展開している」
 2012年には、特に相談が多かった農地維持の依頼に応じようと、「農業生産法人アグリファーム福渡」を設立した。個人では採算の確保が困難な、水田などの草刈り、耕運、田植え、稲刈りなどを、建設業で培ったコスト管理と経営のノウハウを生かし一括して担う。この6年間で11町まで耕作面積を拡大。生産品種についても販売先企業と連携して市場ニーズの高いものへと変更し、生産性の向上など将来に向けて改善が見え始めた。
 一方で、害獣被害や耕作放棄地の問題が顕在化する。地域全体で農地の再構築を検討する議論が始まっており、「地元建設企業として主体的役割を果たすため、IoTの活用も含めた農地維持の仕組みづくりを行わなければならない」と訴えた。
 「地元(建部町)にこそ仕事がある」。過疎化や高齢化という課題に向き合う小坂田社長の挑戦はこれからも続く。(地方建設専門紙の会)
 

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