業界記事

《連載②》 【原点回帰~複業で地域を支える~】「畜産の強みで民間伸び、海外進出も」

2019-08-07

 第1部「農業などへの複業化」の事例発表ではまず、フォーラム初参加となった森建設(鹿児島県)の森義大社長が登壇。「地域を支える多角化経営」と題し、建設業と畜産業を連動させた事業展開や、観光・サービス業、海外事業などグループ会社が手掛ける取り組みを紹介した。
 同社が拠点を構える鹿屋市輝北町は、鹿児島県東部の大隅半島に位置する。人口約2400人のうち65歳以上の高齢者が6~7割を占め、産業は農業や畜産業、林業などの1次産業が中心となっている地域だ。
 森グループは、建設業のほか、肉用牛の生産から繁殖・肥育(飼育頭数6000頭)まで行う畜産業、旅館・ホテル経営など、全国規模で事業を展開。2014年にはベトナムに進出して現地法人を設立し、両国間でエンジニアの出向にも力を入れる。社員数は20社で600人(うち海外50人)、総売り上げは約240億円にも及ぶ。
 森氏は、複業化の柱である畜産業は「創業者が一番大事にしていた思い入れのある事業」と言う。肉用牛の飼養から、飼料の輸入、餌(えさ)の運搬、精肉・販売まで、グループによる牧場一貫体制を構築し、その品質は海外の飲食店にも認められるほどに成長した。
 一方で、建設業の経営は公共工事の受注が7割を占める公共依存型だった。事業の先細り感が見え始めた中、「自社の強みや複業の優位性を再度見極める必要があった」と、建設業と畜産業を連動させた受注拡大策を思案した。
 グループは運送会社も有するため、取引農家や飼料メーカーからの情報をいち早くキャッチできる。飼料・機械メーカーと合同で農家向けの勉強会や情報交換会も行い、自社農場で確証された設計、提案力を生かした営業展開を図った。
 その結果、畜産農業施設を中心とした民間工事の受注が増加。「官民の受注割合はこの10年で逆転(7:3→3:7)した」と確かな手ごたえをつかんだ。
 森氏が社長に就任したのは今から7年前。以来、30歳代にして多角的な目線で事業を拡大している。今後、人口減少や高齢化がさらに進んでくることも想定し、「国内外問わず目を向け、グループ全体で多種多様な人材を育成していくことが大切」と強調する。
 同社が目指すのは、複業のネットワークを生かし、各面から地域に貢献できる企業づくりだ。「恵まれた自然環境など、地方だからこそできるメリットもある。今後も全社員で方向性を合わせ、魅力ある事業に取り組んでいきたい」との言葉に、将来を見据えた熱い思いが込められている。(地方建設専門紙の会)
 

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