業界記事

【建設産業政策+記者の眼】 廃業に伴う技術者移行で特例措置も

2016-05-24

 国土交通省は23日開催の中央建設業審議会・社会資本整備審議会の基本問題小委員会で、中小建設会社の合併や事業譲渡を円滑に行うための課題と検討の方向性を示した。事業の承継が困難で廃業せざるを得ない場合に、技術者等を引き継いだ会社に対する経営事項審査(経審)上の特例措置などを検討する。  中小建設会社にとって合併は資金や手続きの面が障害となり、結果として廃業を行わざるを得ない場合も多い。現在は企業が廃業した業者の技術者などを受け入れても、経審では審査基準日までに6カ月を超える恒常的な雇用関係がなければ加点されない。そこで雇用開始から6カ月未満でも技術職員として評価することや、受け入れた技術職員の人数に基づき、廃業した業者の完工高を引き継ぐといった特例案を検討している。  合併に係る入札契約制度上の課題への対応では、地方自治体で取り組み内容や効果に差があり、本来の目的とは異なる趣旨で特例適用を受けている事例もあるため、特例措置のあり方を見直す。合併などで企業再編を行った会社に対して競争参加資格で特例措置を設けている都道府県は38団体で、総合評価点への加点や地域要件、入札参加等級の緩和などの措置を講じている。国交省では今後、地域の実情や建設産業を育成する観点から効果的な特例措置のあり方を検討する考えだ。  また、合併時の建設業許可の迅速化、経審取得の簡素化も検討する。 〈記者の眼〉  一昔前には政策的に合併を促進し、建設投資に見合った規模の企業数に再編するという流れがあったが、今回の取り組みは企業数を減らすことが目的ではない。地方自治体が特例措置を設けた結果、総合点数が実際の技術力・経営力とかけ離れてしまった例や、営業権のみ譲渡して合併特例を活用する例など負の影響も出ている。また、実際に合併する企業が現れずに特例措置を廃止した自治体も出ているため、時代に合った制度に見直すことが主な目的といえる。  当然ながら新設合併や協業化により会社の規模を拡大し、上位ランクの受注を目指すことを妨げるものではない。廃業せざるを得ない企業の倒産・廃業によって行き場を失う技術者・技能労働者などの受け皿をしっかりと確保する狙いも大きい。特例措置の結果、優良な建設会社が誕生し、業界内の健全化につながった例もあるため、今後は企業が合併を考える際の選択肢が広がる見通しだ。

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