業界記事

【新会長インタビュー】 建コン協・高野登氏/魅力ある業界目指す

2019-06-10

 建設コンサルタンツ協会の新会長に就任した高野登氏(日本工営代表取締役会長)は、協会の組織改正など複雑になった組織を明確化し、諸課題に取り組む姿勢を打ち出した。「平成から令和へ変わる時期ということで身の引き締まる思い」と話すとともに「防災・減災の関係で公共事業が多く出ている中、国民からの期待に応えていきたい」と意気込みを見せる新会長に、今後の取り組みや考え方などを聞いた。
 
―平成を振り返って
高野 平成元年に建コン協ではATI構想=を打ち出し、30年間追い求めてきた。進歩してはいるがまだまだやることはある。この中長期のビジョン実現を目指したい。また技術者単価は7年間連続で上がり、事業量も安定的に確保された。さらには技術力による選定も国では浸透してきている。加えて労働環境の改善に取り組むなど、平成を振り返ると良い状況に進んでいると言える。
 
―これからの協会活動は
高野 担い手確保の面から見ても、魅力ある建設コンサルタント業界を目指す必要がある。入職した若者にとって働きがいがある業界であるためにも技術競争は大切。安ければ良いという仕事より、技術を売って評価される業界でなくてはならない。そのためにも、地方ブロックの意見交換や国土交通省との意見交換会の場を活用するとともに、本部と支部の意見交換会で情報共有し、全体で取り組むことを目指していく。
 
―今後取り組むべきこと
高野 まずは災害時対応のシステム化。また担い手の確保・育成のための働き方改革と生産性の向上。さらには技術力による選定を地方公共団体まで普及させていきたい。そして品質の確保と向上。われわれの成果が社会に認められる高い品質のものを提供していくことが重要だと考えている。
 
―建コン協のさらなる発展に向けて
高野 一つはCM(コンストラクション・マネジメント)といった新しい業務分野の普及。二つ目はインフラ整備の必要性を建コン協からも発信していくこと。3つ目は社会から認めてもらうためにも、技術者の銘板を実現したい。従来からの課題に対して建コン協内部で検討や勉強を進め、準備をしていきたいと考えている。
 
【略歴】たかの・のぼる
 1975年東京大学農学部卒、同年日本工営入社。2011年に取締役、12年取締役常務執行役員、14年代表取締役専務執行役員、15年代表取締役副社長執行役員を経て17年から現職。昔からの趣味である囲碁の心構えである「囲碁十訣」は、仕事にも通じる教訓にしている。また最近ではストレス解消にゴルフを楽しんでいるという。52年生まれ。富山県出身。
 
=ATI構想
 建設コンサルタントの知的産業としてのプロフェッショナルアイデンティティの確立とその健全な発展を目標として、3つの基本的立場と、8項目からなる業界の自助努力と振興策を示したもの。
 

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