三菱地所(東京都千代田区)とサイバーエージェント(東京都渋谷区)は、コミュニケーションロボットを活用した接客対応の実証実験を8日から開始した。第1弾は東京・池袋にある三菱地所グループの複合施設「サンシャインシティ」で「Sota(ソータ)」を活用する。ソータは案内所に2体設置し、人が近付くと声掛け・案内を行う。日本語・英語・中国語の対応が可能だという。
第2弾では6月7日より大阪市にある同グループが運営するホテル「ザ・ロイヤルパーク・キャンバス 大阪北浜」に「RoBoHoN(ロボホン)」と「Pepper(ペッパー)」を配置する。ロボホンとペッパーはホテルの朝食会場内に設置し、声掛けと案内の役割を分担しながら、宿泊客自身での食器の片付け(下膳)を促す。多言語での対応を予定している。
いずれも従業員が行っている接客対応の一部をロボットが代替することで、より充実した案内体制の構築実現を目指すほか、ロボットの対話や振る舞い方など、人間に対する最も効果的なコミュニケーションの形を検証する考えだ。
今回の共同実証実験を通じて、サービスを提供する側と顧客側の双方の視点から、導入の効果を評価し、今後の活用につなげていく。
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実証実験を通じて商業・宿泊施設でロボットの活用効果が認められれば、さらなる活躍の可能性が広がる。接客業で人手不足が続く中、訪日外国人旅行者の増加に対応するためには、働き方改革を進める上でも接客の現場でのロボット活用は今後も増えるはずだ。ただ、人による接客も当然ながら重要であり、最先端の技術と「おもてなし」の心が融合した接客が、日本を訪れる際の新たな魅力になるかもしれない。