建設キャリアアップシステム運営協議会(事務局=建設業振興基金)の第5回総会が27日に開かれ、2019年度の事業計画を決めた。4月からの本運用後も官民一体となって継続して周知・普及を促進し、業界全体へシステムの利用を広めていく必要があることから、まずは初年度の技能者登録100万人、事業者登録13万社に向けて、関係者が一致団結して臨むことを確認した。
協議会会長の国土交通省土地・建設産業局の野村正史局長は「このシステムは技能者の処遇改善、ひいては建設業が将来に向けて持続可能な産業であるために、なくてはならない仕組み。関係者が思いを一つに一致団結して登録を促進し、業界全体へ、さらに普及させていくことが必要」と強調、協力を要請した。運営主体となる振興基金の佐々木基理事長は現状の課題への対応とシステムの普及に全力で取り組む考えを伝えた。
19年度は本運用に伴う現場・契約情報の登録、技能者の就業履歴情報の蓄積と記録・蓄積された情報の閲覧などを開始する。また現場での運用開始と利用者数の大幅な増加に対し、システムの安定稼動に向けた情報基盤やセキュリティの強化、操作性向上に努めるとともに、限定運用で発生した課題への対策を実施する。技能者評価や外国人受け入れ拡大など行政施策に対応したシステムの開発・改良も進める。
技能者情報、事業者情報の登録に当たっては、申請段階における不備の発生率軽減を目指し、申請受付からカード発行までの期間短縮を図る。
普及・広報活動では、現場担当者向けにホームページの内容充実や支援体制の検討、各地域の建設業団体・企業などが行う説明会への職員派遣、全国セミナーの開催などを計画。振興基金では民間事業者と連携した周知普及、基金主催セミナーの動画配信、能力評価基準等策定費用の助成、行政書士と連携した登録の促進、現場運用支援などを実施する考え。
協議会に参画する関係団体に対しては、会員企業や協力会社への登録働き掛け、現場におけるポスター等による普及啓発などの協力を求めていく。
18年度に開発した就業履歴情報登録アプリ「建レコ」は4月1日から提供を開始する。
民間システムとの連携(API連携)では、21件の申請があり、認定第1号としてアートサービスの「イージーパス」が26日付で認定された。
なお18年度末時点における登録者数は技能者が約2万人、事業者が約1万人となる見込み。