国土交通省が1993年の策定以来、初めて見直しを行う建設工事公衆災害防止対策要綱(建築編・土木編)の改正案が明らかになった。発注者・施工者だけでなく設計者も含めて公衆災害防止に努めることを明示するほか、近年の発生状況、制度改正、施工技術の進展などを踏まえた見直しを図る。また要綱の認知度や理解度をより高める観点から、同要綱を建設業法の規定に基づく技術的事項として位置付ける方針で、6月にも告示し、適用を始める。
主な改正内容では、工事に伴う事故リスクや社会活動への影響を最小化すべきことを規定するとともに、適切な工期の確保、公衆災害防止対策経費の確保について明示するなど、公衆災害防止に向けて関係者が持つべき理念と担うべき責務を明確化する。
また近年の発生状況を踏まえて、発生頻度の高い埋設物の損傷、建設機械の転倒事故等の防止措置を充実させ、落下物による危険防止および解体工事に関する措置の明確化も図る。荒天時における備えや河川通航時の事故防止対策等は新たに追加する。
さらにドローン等の活用推進に備えた落下事故対策、建設機械のレンタル化に対応した留意事項、高齢者・障害者の視点から必要な措置を追加する方針だ。