業界記事

【専門工事企業+記者の眼】 施工能力評価基準でモデルケースを

2019-03-06

 建設技能者の能力評価制度と連動した専門工事企業の施工能力の「見える化制度」を検討する国土交通省の有識者検討会は、6日の会合で見える化する共通項目の評価基準案を整理した。また2019年度からは業種別に評価基準のモデルケースをつくり、統一のガイドラインを策定した上で、各団体で運用する個別の見える化制度の普及を図る見通しになった。
 評価基準案の基礎情報のうち、財務状況等に関しては事務負担の軽減も踏まえて、建設キャリアアップシステムにある資本金、売上高(完成工事高)のデータにより、星4つの4段階で財務評価を行う。
 施工能力は、建設技能者の人数についてキャリアアップカードの保有者数や所属技能者に占めるレベル3以上の割合に加え、29歳以下の割合および所属技能者の平均勤続年数の合算による4段階で評価する。さらに必須記載項目として同カードのレベルごとの人数、最大請負金額、協力会社、表彰実績を設定する。
 評価基準のモデルケースでは、共通項目で「基礎情報」「施工能力」「コンプライアンス」を、選択項目で「施工能力」「処遇・福利厚生」をそれぞれ4段階で評価する。モデルケースづくりは19年春から秋にかけて複数の団体と個別に行う。ガイドラインは夏ごろから検討に入り、20年春の策定を目指す。ガイドラインに沿って評価基準を作成した団体から順次、運用を開始する。他にも20年度には制度を運用していくためのシステムの検討・構築を予定する。
 建設キャリアアップシステムに蓄積・登録される就業履歴や保有資格を活用して、建設技能者の能力を客観的にレベル分けする能力評価制度は同日の検討会で告示案とガイドライン案が了承された。告示は年度内に公布し4月1日から施行、ガイドラインは年度内に公表する。4月から本格運用する同システムでは、能力評価制度により、4段階のレベルに応じて色分けした「キャリアアップカード」が交付されることになる。
 
〈記者の眼〉
 建設キャリアアップシステムの運用と歩調を合わせて、建設技能者の能力評価制度の仕組みが整った。今後は同システムと制度を広く周知して、能力に見合ったレベル分けの定着を図る必要がある。また「見える化制度」に関しては昨年12月に国交省が行ったアンケート調査の結果、積極的に活用したいと回答した発注者はわずかだった。公共を含めた発注者から制度への理解を深めてもらうためにも、まずは代表的なモデルケースを構築し、制度のさらなる周知につなげる活動が不可欠と言えそうだ。
   

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