360度全方向からの音を可視化する「音源方向の可視化システム」が開発された。産業技術総合研究所と佐藤工業、長谷工コーポレーション、CAEソリューションズ、安藤・間が共同で3Dマイクロホン=

を用いた音の収録・分析・可視化技術を実現したもの。
新技術により、市販の3Dマイクロホンで録音したデータから音の強さの空間分布を計算することで、安価で簡単に360度全方向の空間内の各音源の位置を可視化できる。同音源を、音の方向と強さを表した「音配図」として可視化する技術は、広範囲の音響情報が必要となる建設・建築現場での活用が期待される。また現場での音源探査時間を大幅に短縮できる。
さらに建設現場だけでなく、プライバシー保護の観点からカメラが使用できない場所での乳幼児や高齢者の見守り、耳の不自由な人への情報提示など幅広い分野で活用できる見通しだ。
今後は、主に建築現場を対象に試験利用を行う。

=3Dマイクロホン
主に前方左上向き、前方右下向き、後方左下向き、後方右上向きに配置された複数のマイクロホンで構成し、360度全周からの音を録音できる。近年は価格が低下し、安価なものも販売されるようになっている。