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【建設産業政策】 公共との災害時連携を団体の努力義務に

2019-01-16

 国土交通省は16日開催の中央建設業審議会(中建審)等の基本問題小委員会で、担い手確保の取り組み強化に向けて昨年6月の中間とりまとめで提言された「当面講ずべき措置」を具体化するための今後の建設産業政策の方向性を示した。また新規の検討事項として災害時における建設業者団体の責務や、下請け建設業者に対する建設業許可証掲示義務緩和、通報保護の規定などを追加している。このうち建設業者団体に対しては、災害発生時に迅速に対応する体制を構築するため、包括的な協定書の締結や連絡体制確保など災害時における公共との連携の努力義務化を検討する。
 また建設業許可証掲示に当たり、下請け次数が大きい現場や狭い現場の場合に掲示場所が確保できない課題があることから、工事現場での許可証掲示を元請け業者のみにする方向性を打ち出した。
 下請け業者保護に向けては、元請け業者が建設業法上の義務に違反した場合、報復を恐れて通報しなくなる可能性があるため、通報を理由に請負金額を減額するといった不利益な取り扱いを禁止する規定を検討する。
 中間とりまとめへの対応のうち、技術者配置要件の合理化では、監理技術者補佐(仮称)が専任配置されている場合には、一定の条件下で当該工事の監理技術者が他の工事の兼務を認める仕組みを創設。さらに技術検定試験の学科と実地を加味した1次試験と2次試験に再編し、1次試験の合格者に監理技術者補佐となることができる技士補(仮称)の資格を与える。
 主任技術者配置要件合理化のための専門工事共同施工制度(仮称)の創設では、上位専門工事企業で配置する主任技術者について、一定の指導監督的な実務経験を要件とすることや、対象とする建設工事の規模に一定の上限を設けることなどを検討している。
 円滑な事業承継に向けては、あらかじめ許可行政庁の認可等を受けることで、事業承継の効力発生日に自動的に権利義務を承継するような制度を視野に入れる。
 今回、委員からは許可証の掲示について「見せ方の工夫をお願いしたい。施工体系図の掲示場所も検討を」「(仮囲いも含め)簡素化する部分と、もう少し現場でのものづくりを情報発信することも考えていただきたい」といった意見・要望が出た。
 国交省では委員からの意見を踏まえ、必要な法改正も含めた制度化に向けた検討を進める考え。

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