業界記事

【日本型枠】 実態調査で法定福利費確保が課題に

2018-12-13

 日本型枠工事業協会(三野輪賢二会長)は会員企業を対象にした型枠大工雇用実態調査結果を公表した。三大都市圏(関東、関西、東海・中部)で法定福利費を全く確保できない工事が25%に上る結果となっており「技能者の9割近くとなった社会保険の加入率を維持することが困難になる」と危機感を示した。
 法定福利費の確保について全国の数字を見ると、標準見積書を提出した工事552件のうち、満額確保できたのは前年比7%増の44%。一方で全く確保できなかったのは前年比2%減の14%となった。内訳は実質全額確保できたのは民間工事で51%(352件中178件)、公共工事で56%(187件中104件)。全く確保できなかった工事は民間工事で14%(352件中49件)、公共工事で13%(187件中24件)に上った。さらには法定福利費記載見積書を受理しなかった工事が525件中46件もあった。協会では驚きと憤りを感じるとともに、「行政がしかるべき対処を行うべき」と呼び掛けた。
 厚生年金の加入率は89%となっており、急上昇した昨年から4%上昇する結果となった。この状況に対し、後戻りできないレベルに達したとしながら「受注機会拡大の環境整備と産業構造の改革が必要」と強調した。
 型枠大工の標準日給は、職長クラスが1万6484円、型枠技能工は1万3921円となり、上昇率は全国的に横ばいの状況となった。これは社会保険加入に伴い日給の大きな上下が抑制されるストッパー効果が発揮されたと見ている。
 会見で三野輪会長は「働き方改革と言われているが、賃金の上昇率停滞などにより実現が難しい状態。新たな施策を国交省とともに対処していかなければならい」と訴えた。さらに「型枠業界の厳しい状況を広く国民に把握してもらいたい」と協会として情報発信に努める考えをあらためて示した。
 なお同調査は8月に協会会員企業214社から回答を得たもの。
 

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