業界記事

【高校生作文コンクール②】 土地・建設産業局長賞「国際協力の現場へ」

2018-10-18

◎村上莞和さん(静岡県立浜松工業高等学校 建築科2年)   私が中学生だったある時、母はテレビ番組を見ながら突然こう言った。  「将来建築士になってこの家をリフォームしてほしいな。」なにげないこの一言で私は建築に興味を持ち始め、浜松工業高校の建築科に進学することにした。  高校に入学してから少したって好きな建築家について調べるという課題があった。好きな建築家どころか建築家の名前さえ全く知らない私はまず有名な建築家を調べることにした。その中で私は初めて坂茂という建築家に出会った。  建築家坂茂は、弱者のために建築をつくっている人だとわかった。アジアやアフリカなどの貧困地域や被災地を訪問し様々な建築をつくり出している。彼はお金のためだけでなく人々のために建築をしていることに強く感銘を受けた。その坂さんが、アフリカで金属を用いて建築をした時に、金属は高く売れるため盗まれてしまった経験をされた。これに対して、あきらめることなくその対策を考え出した。それが紙管を用いて建築をすることだった。見知らぬ土地で難題に直面してもあきらめず人々のために努力し解決することに私はより一層感銘を受けた。そして私は、将来人々のために努力できる建築家になりたいと思うようになった。  今私は、この思いのもとにアフリカの貧困地域について調べている。アフリカでは今もHIVやマラリアなどの病気が蔓延している。その原因の一つに住宅があると思う。日本人からして見ると掘っ立て小屋のようなところに住んでいる人も多くいる。現地の環境に適合した住宅は、長い歴史の中から育っているものだ。低コストでなおかつ丈夫な建物で現地の人でもできるような建築に日本や世界の技術を付加すれば、快適な生活を送ることは可能だろう。坂さんが紙管を用いたように現地には伝統から生み出された技術が必ずある。私にはまだそのような技術を生み出せる知識はないが、坂さんが紙管で建築したように私も地域が活性化するような建物をつくりたい。  建築の先生が「適正技術」という話をされたことがある。これまでの技術やこれから生み出される技術をそれが生み出された土地だけで利用するのではなく、アジアやアフリカなどの他の地域でも有効に使うことができるように考えることが必要になってくる。開発途上国の人々だけでなく、弱い立場の人々のために技術を適応させる工夫が求められる。 確かに私はまだ、建築について何も知らない。しかしだからこそこれからもっと勉強していこうと思う。高校・大学と学び続ける中で建築の知識を身につけるとともに外国語もしっかりと学ぼうと思う。そして必ず国際協力の場で建築家として活躍したい。

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