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【土砂災害対策】 実効性ある避難確保へ方策検討

2018-09-11

 国土交通省は7月豪雨による土砂災害の被害実態を検証し今後の対策を探るため、11日に実効性のある避難を確保するための有識者委員会の初会合を開き、検討を開始した。
 国交省では、これまで砂防堰堤等の整備とともに、土砂災害ハザードマップ、土砂災害警戒区域の整備、警戒避難体制の整備を進めてきた。特に2014年の広島市での土砂災害を受けて改正された土砂災害防止法に基づき、できるだけ早期に土砂災害の危険がある箇所を周知する観点から土砂災害警戒区域等の指定に先立つ基礎調査結果の公表や避難勧告等の判断の目安となる土砂災害警戒情報の通知・周知の徹底を行い、土砂災害に対する警戒避難の強化を図ってきた。
 しかし7月の豪雨では広島県、愛媛県を中心として広域にわたり多数の土砂災害が発生し、1道2府28県で通常の1年分を大きく超える1748件の土砂災害が確認された。今回の豪雨では土砂災害警戒区域の指定や警戒情報等を踏まえた避難勧告などが行われたにもかかわらず、「平成最大」となる多くの犠牲者が発生。また複数の河川で同時多発的に発生した多量の土砂が流下し、氾濫する被害もあった。
 土砂災害警戒区域は推計で全国に約66万区域あり、うち9割に相当する約57・5万区域で基礎調査が完了。特別警戒区域についても22府県で基礎調査が終わって順次指定を進めており、14府県で指定が完了した。国交省では防災・安全交付金の重点配分など各都道府県の取り組みを積極的に支援し、19年度末までに確実に基礎調査を完了させる考えだ。
 なお7月豪雨による土砂災害を踏まえた今後のハード対策・ソフト対策を考える上での課題としては、避難すべき人が避難できていないことや、土砂・洪水氾濫により下流の市街地に広範囲で土砂が堆積し、救助活動、復旧活動の妨げになって地域の社会経済にも長期間影響を与えたことを論点として提示している。

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