業界記事

《連載⑪》 【地域のインフラメンテナンス】「地元を熟知する建設業として活動」

2018-08-28

 パネルディスカッションは「これからの地域のインフラメンテナンス」をテーマに行われた。老朽化が進む地域インフラの維持や、激化する自然災害を踏まえた保全など「インフラの守り手」に焦点を当て、今後のあり方や地域建設業に期待される役割などを議論した。パネラーは富山県入善建設業協会会長の大橋聡司氏(大高建設社長)、林野庁長官の沖修司氏、農林水産省農村振興局次長の室本隆司氏、全日本建設技術協会会長の大石久和氏。コーディネーターは建設トップランナー倶楽部代表幹事の米田雅子氏が務めた。  大橋氏はインフラの維持や担い手確保の取り組みを報告。インフラ維持では協会が自治体と災害協定を結び、日ごろから斜面変状などの異常を自治体に提供して予防保全につなげている。また自治体から譲渡された公共施設を、オープンスペースやジオパークの拠点施設として再整備。流木を活用したボイラーや、地中熱・温泉熱を利用した空調設備などにも、大学と連携して取り組んでいる。  大橋氏は「無策では人口が減り続け、インフラも不要になる。定住人口や交流人口を工夫して増やし、地域の活性化につなげることも、地域資源を熟知した建設業の役割」と語った。  担い手の確保では、協会が高校にミニバックホウやドローンを寄贈、会員が指導して業界の魅力を体感させた。協会が公共残土の処理事業を担う「組合」を組織しているため、その安定収益を使って「未来への投資」として寄贈した。保護者との意見交換会も開き、業界のマイナスイメージも払しょくするよう努めた。  その結果、数名だった入職者は今年、10名以上になり、来年の希望もすでに多いという。大橋氏は「地域維持型JVや組合による共同受注などをさらに広げることも重要だ」と述べた。  沖氏は「森林そのものがインフラ」という立場で、ICTを活用したメンテナンスの取り組みを紹介、「森林の現況把握にも航空レーザを使用する方向に舵を切っている」と説明した。森林地帯のクラックの位置を把握して自治体に伝えることで、早期避難につなげたり、要対策箇所への対応の早期化を図ったりできるという。  林道でも航空レーザ計測や高性能林業機械の活用が進んでいるほか、UAVで樹木の位置や種類を上空から把握し、森林クラウドを使って土地所有者情報や森林分布の把握作業を効率化させる取り組みも実施。ICTを活用した木材サプライチェーンマネジメントの構築も図っており、「国民の安全・安心のための取り組みをしっかり行いたい」と力を込めた。  林業ではこのような先端技術のほかに「安全性の問題を考える必要がある」と指摘。年間で40人ほどの死亡者が出ていることを踏まえ、技能訓練などが重要だと言い、「入職してもらえるような場をつくるため、安全対策に取り組みたい」と話した。=次号に続く=(地方建設専門紙の会)※登場者の肩書きは6月29日時点のものです。

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