業界記事

【国土交通省インタビュー】 建設市場整備課長 出口陽一氏「処遇改善へ好循環を」

2017-09-11

 国土交通省土地・建設産業局の出口陽一建設市場整備課長が就任インタビューに応じ、「経験を積み技能が上がってきた方が、それなりのふさわしい処遇を受けられる産業になる好循環を作ることが大きな課題。そのためにも現場の意見をよく聞きたい」と抱負を語った。  技能労働者の処遇改善に向けては、まず賃金に関して5年連続上昇中の公共工事設計労務単価が本当に現場まで行き渡っているかどうか、民間発注工事の実態も含め「しっかりと探っていかなければならない」と話す。  社会保険の関係では5年間の未加入対策に効果があったとした上で、「これからは加入の徹底と定着。社会保険に入った方から引き続き定着していただくことも大事」とし、公正な競争環境を守りながら取り組みを進める姿勢を見せる。また、建設工事標準請負契約約款の改正により、請負代金内訳書に法定福利費を内訳明示することを標準化したことから、「元下、下下の関係で実際にどれくらい行き渡っているのか、実態も含めて調べたい」とし、近く調査に乗り出す考えを明らかにした。  建設キャリアアップシステムについては、「業界が自主的に、お金を出し合って同じ方向を向いてやるという他産業でもなかなか無い取り組み。技能者の経験や資格、技能が同じ業界統一のフォーマットで出てくるというのは本当に画期的だと思う。人材や能力、技能がしっかり守られていくというメッセージを業界として出すことは今後の担い手確保の意味でも大きい。技能者は宝なので、宝を守ることに業界が声を上げていくということがある意味チャンスにもなる。システムを作って終わるのではなく、それがしっかりと技能者の処遇改善につながることが一番大事なこと。われわれもできることはサポートしていきたい」と語る。今後の広報の重要性も指摘し、「システムが広まり、使われなければ意味がない。(システムが)あなたにとってこういうメリットありますよということを、できるだけ出しながら説明していきたい」との見通しを示した。 【略歴】でぐち・よういち  1993年京都大学経済学部経済学科卒、建設省採用(河川局開発課)。内閣官房日本経済再生総合事務局参事官を経て本年7月から現職。71年2月生まれ。46歳。大阪府出身。最近は愛犬の散歩が趣味だという。

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