業界記事

言うに言えない本音、隠れた問題④ 利益の出る入札制度-指名競争の復活を

2015-12-01

 建設投資の削減が受注減に響き、建設業界は著しく疲弊している。地域のインフラ整備を支えてきた多くの企業で就労環境が悪化した。3K、5Kという状況に拍車がかかり、担い手の離職を招いただけでなく、若手の確保・育成に人手も資金も回らない状況が続いている。現状を打開するため、まずは建設業者の利益に直接影響する入札制度を見直す必要がある。  自治体が発注する公共工事は公平性・透明性確保を理由に一般競争が主流となっているが、競争性が高いがゆえに最低制限価格と同額またはすれすれで入札しなければ落札できない上、従業員に仕事を与え続けなければならない事情などから、望まずも低価格競争が横行している。  また、総合評価方式は名ばかりで、技術力への評価が価格面を覆すことは少なく、価格競争から脱却できていない。  埼玉県川口市は設計額おおむね2億円以上の案件において、一般競争を適用している。ところが、発注する建設工事のほとんどは必然的に指名競争となっている。指名業者の数は予定額に応じて増減し、競争性を確保しつつ、適正な価格・品質・技術に配慮して入札を執行し、地元業者の育成に取り組んでいる。  さらに、年間150件程度を目安に参加意思確認型入札方式を採用し、資力・実績の十分でない建設業者に対して応札のチャンスを創出している。  当社の調査によると、川口市が2015年4月~11月末に指名競争・参加意思確認型で発注した建設工事のうち、最低制限価格が公表されている案件で、最低制限価格と同額~+10%以内の額で落札された案件は全体の約35%。  一方で、公告において地元業者に配慮した参加要件を設けることの多いと言われている、さいたま市で同期間内に一般競争で発注した建設工事は、約94%が当該範囲を占めている。  両市の傾向から、指名競争は一般競争と比べ、過剰な競争を回避できていると判断できる。入札制度において建設業者の成長を促すためには、最低制限価格のさらなる引き上げのほか、競争性の制御が最短距離ではないか。

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