業界記事
【舗装マネジメントを考える②】 「サイクルを持続的に回すことが重要」基調講演/茨城県土木部道路維持課技佐兼課長補佐(技術総括)・土子浩之氏
2017-04-07
〈3月10日のセミナーから〉
茨城県では、舗装の維持管理の指標として、ひび割れ率、わだち掘れ量、平たん性の3つの要素を組み合わせて舗装の破損程度を10点満点で総合評価した指数、MCI(維持管理指数)を採用しており、延長4000㎞を超える県管理道路全路線について、平成25年度に路面性状調査を実施したところ、MCIが一般的には補修が必要なレベルである平均4・8という結果となり、さらに、早急に補修が必要なレベルであるMCI3以下の延長は約200㎞に達し、全体の5%を占めていました。
このため、本県では、限られた予算の中で、道路利用者の快適性、安全性を確保し、効果的かつ効率的な舗装の維持修繕への転換を目的とした「茨城県舗装維持修繕計画」を平成28年3月に策定しました。
舗装維持修繕計画では、地域や交通量などの道路特性を踏まえ、安全性、経済性に配慮した道路舗装の管理水準を定め、グループごとに管理水準を設定すること、ライフサイクルコスト縮減を目指した最適な維持修繕のサイクル及び工法を導入すること、定期的な路面性状調査と維持修繕工法の検証による計画の継続的な見直しを行っていくことを3つの方針として掲げています。
今後は、計画に基づく維持修繕を実施するとともに、計画のフォローアップとして、外部有識者などから構成される舗装維持修繕検討委員会に諮りながら進めていくこととしています。具体的には、補修間隔が平均以下の短期補修箇所について、電磁波探査やFWD試験などの事前調査を実施し、原因の追究と適切な工法での修繕を行うとともに、ライフサイクルコスト縮減に向け、新技術・新材料による試験施工を行っていきます。
最後に、効果的、効率的な舗装の維持修繕を推進していくため、交通量や地域特性により設定した管理水準に基づく維持修繕を実施しながら、5年に1度の定期的な路面性状調査や通常時の道路パトロールなどの点検結果から現状の把握と将来予測を行い、さらに、維持修繕工法の妥当性を評価し、計画にフィードバックしていくことで、メンテナンスサイクルを持続的に回していくことが重要であると考えています。
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