業界記事

建築工事監理業務委託契約書等の制定、基本方針を定める

2001-03-05

 国土交通省はこのほど、営繕工事における建築工事監理業務の業務委託について、透明性、客観性の高い契約関係を構築するとともに、第3者性を確保することにより、営繕工事の適切な品質確保により1層資するために、[建築工事監理業務委託契約書]及び[建築工事監理業務委託共通仕様書]を制定するとともに、業務委託をより適切に実施するための基本方針についても定めた。
国土交通省官庁営繕部においては、国民の共有財産としてふさわしい良質な官庁施設の整備を進めているところだが、阪神淡路大震災や公共施設等のコンクリート事故等を契機にして、公共建築の品質確保に対する国民の意識が高まってきたこと、また社会資本としての耐用性・耐久性をより1層向上させる必要があること等により、より確実な品質の確保が重要な課題となってきた。
 そのような観点から、今回、営繕工事における建築工事監理業務(以下「工事監理業務」という。)の業務委託について、発注者と受注者の間の役割と権利義務等を整理し、より透明性、客観性の高い契約関係を構築するとともに、第3者性を確保することにより、営繕工事の適切な品質確保により1層資するために、平成13年2月15日に「建築工事監理業務委託契約書」を制定した。
 また、同契約書の制定にあわせ、官庁営繕部においては、同契約書に対する補完事項、委託する具体的な業務内容等を定めるとともに、同契約書の統1的な解釈及び運用を図るため「建築工事監理業務委託共通仕様書」を、工事監理業務の業務委託をより適切に実施するため、業務の委託範囲及び委託方針に係る基本的な考え方について「建築工事監理業務委託の基本方針」を、それぞれ定めた。
 なお、これらの制定内容には、官庁営繕部に設置(平成9年度から2ヵ年)した「公共建築工事監理体系再構築検討委員会」での検討成果が活用されている。
・「建築工事監理業務委託の基本方針」の概要
1)工事監理業務の業務範囲及び内容
a)従来との相違点と工事監理業務の業務範囲
 従来は、工事監理に関する業務については、建設省告示第1206号別表2に示された「工事監理等」のうち、契約管理に関する事務を除いた範囲を業務範囲として実施してきた。
 今後の業務委託においては、工事監理に関する業務をより適切に実施するために、従来の工事監理に関する業務の業務範囲を、ア)設計者が設計意図を請負者等に正確に伝えるために行う業務(以下「設計意図の伝達業務」という。)と、イ)従来の工事監理に関する業務のうちア)を除く業務とに分離した上で、ア)を設計関連業務として、イ)を工事監理業務として整理するものとした。
b)工事監理業務の内容
 委託する工事監理業務の内容については、「建築工事監理業務委託共通仕様書」に基づくものとする。
2)工事監理業務の委託方針
 今後の工事監理業務の委託にあたっては、設計意図の伝達業務を設計関連業務と整理したこと、また、設計内容に客観的な技術的検討を加え、適正な品質確保をより1層推進するため、第3者性を確保する必要があることから、原則として、当該工事の設計業務の受注者とは異なる者と契約することとした。あわせて、工事監理業務の管理技術者は、当該工事監理業務の対象工事における設計業務の管理技術者と同1の者であってはならないことにも留意するものとした。
3)工事監理業務の契約の相手方の選定の考え方
 工事監理業務の業者選定にあたっては、原則として競争入札に付すこととし、場合によっては、随意契約の手続を行うことも例外的にあり得るとしている。
・「建築工事監理業務委託契約書」の概要
1)統1的な契約書の制定
 従来の工事監理に関する業務の委託については、各発注部局において、契約書を独自に整備していたところだが、このたび、国土交通省の営繕工事に関する工事監理業務委託において統1的に適用する契約書を制定することとした。
2)債務不履行の責任の明確化
 工事監理業務には求める成果品がないという業務の性格を踏まえた上での債務不履行に対する受注者の責任を規定している。
3)部分払
 受注者の業務実態を勘案すると、適正な業務の履行を確保するためには、定期的な部分払いが行えるようにすることが適切であることに鑑み、業務の完了前に、出来高部分に相応する額の部分払いを請求することができることを規定している。
4)管理技術者の位置付け
【建築工事監理業務委託の基本方針」に示した通り、工事監理業務の第3者性を確保する観点から、工事監理業務の管理技術者は、当該工事監理業務の対象工事における設計業務の管理技術者と同1の者であってはならないことを規定している。
5)著作権及び特許権の規定の削除
 設計業務とは異なり、工事監理業務は設計図書のような著作物を作成する業務ではないため、著作権に関する規定を削除した。また、工事監理業務には特許権を使用する業務が発生しないため、特許権に関する規定についても削除した。
・「建築工事監理業務委託共通仕様書」の概要
1)契約条件に関すること
 すでに官庁営繕部で制定済の「建築設計業務委託共通仕様書」を参照し、工事監理業務委託契約書との対応関係を踏まえ、必要な部分を加除・修正し、契約条件を定めることとした。
 このうち、受注者が的確に業務を実施できるように、①業務一般事項、②業務工程計画、③業務体制、④業務方針からなる業務計画書の提出を義務付けた。
2)業務内容に関すること
 業務内容については、建設省告示第1206号別表2との対応関係が明らかになるように、可能な限りこれに基づいた。
 業務範囲として「設計意図の伝達業務」を除いたこと、また、公共発注に必要な規定振りを加えたこと以外は、基本的には4会連合協定の考え方に合致した業務内容となっている。
[建築工事監理業務委託共通仕様書に規定した工事監理業務の内容]
1.工事監理に関する業務
(1)設計内容を把握し請負者等に正確に伝えるための業務
a.設計図書の検討
b.請負者等との打合せ
c.図面等の作成(※1)
(2)施工図等を設計図書に照らして検討する業務2)
a.施工図の検討
b.模型、材料及び仕上見本の検討
1)模型等の検討
2)材料及び仕上見本等の検討
c.建築設備の機械器具の検討
(3)工事の確認及び報告
a.工事が設計図書の内容に合致するかどうかの確認
(4)工事監理業務完了手続き
a.業務報告書等の提出
2.工事の契約及び指導監督に関する業務
(1)施工計画を確認又は検討する業務
a.実施工程表を検討する業務
b.施工計画書を確認する業務
c.品質計画を検討する業務
※1)c.に規定する図面等とは、設計内容を正確に伝えるための詳細図等であり、工事期間中に行われる実施設計の延長と考えられる図面は含まない。
※2)当該業務は以下a.~c.の業務のうち、設計者が設計意図を請負者等に正確に伝えるために行う業務を除く。

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