業界記事

【入札契約調査】工期設定とスライド条項/市区町村の更なる取り組みを

2023-03-24


 入札契約適正化法等に基づき国交・総務・財務省が公共工事の発注者(1928団体)に対して行った、2022年10月1日時点における入札契約適正化の実施状況調査結果がまとまった。主な結果のうち、ダンピング対策で最新の中央公契連モデルやモデル以上を全都道府県で採用しているものの、市区町村は採用数が半分程度。また、工期設定で市区町村の過半数は週休2日などを考慮しておらず、スライド条項の運用基準策定は3割程度にとどまっているなどの状況が明らかになった。
 ダンピング対策の徹底として、低入札価格調査基準価格等の算定式を最新の中央公契連モデル以上または同モデル相当の水準とする地方自治体が増加。都道府県は100%、政令市で約80%となっている。3月改定を10月調査で反映していることから、迅速な対応が行われている。一方、市区町村は調査基準価格で約55%、最低制限価格は約51%にとどまる。
 工期設定にあたり週休2日、祝日、年末年始、夏季休暇といった休日を考慮しているのは、特殊法人、都道府県、政令市は9割を超えるが、国は約7割。市区町村にいたっては前年調査から4ポイント上昇したものの約48%と低い状況。働き方改革の推進のため、週休2日に取り組めるように発注者も環境を整える必要がある。国交省としては、工期設定で休日を考慮していない団体は直ちに是正していく必要があると考えている。
 なお、週休2日工事または週休2日交替制工事を実施している団体は、都道府県・政令市は全てだが、それ以外は前年調査より実施団体が増えているが国4割未満、特殊法人等2割未満。中でも市区町村は14・2%にとどまっている。
 今回の調査で初めて聞いた円滑な価格転嫁の推進としてのスライド条項の運用基準策定状況。スライドを行うための基準を尋ねている。単品スライド、インフレスライドで都道府県、政令市ではほぼ全て、国6割が運用基準を持っている。一方、市区町村は、単品スライド32・5%、インフレスライド29・2%で約3割が策定という状況。県の基準を使っている、個別に対応するなどの動きもあるが、あらかじめ基準が策定されていることが望ましいとしている。
 今回の調査では、ダンピング対策は進展しているものの、工期設定やスライド条項運用に課題が浮かび上がっている。とりわけ市区町村における取り組みについては、改善が必要としている。国交省では入札契約適正化に向けた取り組みのさらなる実施に向けて、ブロック監理課長会議、都道府県公契連などを通じて各団体に対し周知を図り、理解を求めていく方針。また、市区町村に関しては改めて要請する予定だという。

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