業界記事

小山広域、クリーンセンターを最適化、機能回復補修先行、26年度に計画

2023-03-24

 小山広域保健衛生組合は、し尿処理施設「小山広域クリーンセンター」(小山市塩沢604)の施設整備運営最適化計画方針案をまとめた。2024年度に機能回復補修工事を実施した後、26年度に第2期整備計画を策定する。29年度から31年度にかけ、大規模改修または新規施設を建設する。総工費は大規模改修で約34億円、1系統縮小で約30億円、新設で約59億円と試算した。15年間の維持管理経費を含め、最適な案を検討する。
 センターは小山、下野、野木、上三川の2市2町から搬入されるし尿、浄化槽汚泥、農業集落排水汚泥を浄化処理。処理工程で発生した汚泥は、生ごみを加えて発酵熟成。汚泥発酵肥料にリサイクルする。稼働18年が経過し、施設の現状と在り方を検証した。
 現施設は2系統の膜分離高負荷脱窒素処理方式で日量191㎞㍑を処理。32年度の需要予測は81・8㎞㍑に処理量が減少する見込み。生活排水処理構想では下野市と上三川町の農業集落排水処理施設は順次統廃合し、県流域下水道県央浄化センターに接続予定。
 下野市は8施設が4施設に半減し、上三川町は4施設を1施設に集約。32年度は下野市が現行の7・6㎞㍑から4・39㎞㍑に、上三川町は現行の1・1㎞㍑が0・5㎞㍑に減少の見通し。センター施設更新に先立ち、施設規模や処理能力の見直しが必須。
 32年度の需要予測通りの場合、2系統の処理設備を1系統に縮小することが可能。現施設の大規模改修、現施設の1系統縮小、新設の3案で比較検討。15年間の維持管理経費は大規模改修が約72億円、1系統縮小で約62億円、新設は約58億円。
 新設の場合は処理設備機器が一新し、15年間の維持管理経費を最も縮減できる。ただし、2670平方m規模の建設用地の確保が課題。併せて現施設の解体撤去を検討する必要が生じる。1系統縮小案は不要な設備を残置し、撤去はしない方向。
 現施設の要対応箇所は①2系循環液移送ポンプ2のドレン配管の欠落②1系凝集膜吸引ポンプ4の稼働時異音解消③脱水汚泥移送装置から脱水ろ液または洗浄水の液漏れ④地下の予備貯留槽ほか一部水槽類の外壁面ひび割れ⑤汚泥貯留攪拌装置の安全弁誤作動。
 建物や電気設備に目立った問題は見当たらず、継続的な使用には耐えられる。塗装の剥離、錆、ひび割れといった経年劣化箇所が散見され、補修が必要。現実的で過剰な施設にならないよう検討材料を収集。各市町の生活排水処理計画状況を見据え、慎重に検証する。

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