業界記事

足利市、新産業団地開発を本格化、秋から道路、水路、擁壁を順次発注

2022-08-06

 足利市は、あがた駅北産業団地開発事業(県町、下渋垂町、百頭町)を本格化させる。東武伊勢崎線県駅北側の農地を全面買収方式で取得。団地面積19・1ha、分譲面積14・3haの4区画を創出する。年内は9月中旬をめどに主要幹線道路工事1、10月以降に区画道路工事2件、11月以降に下渋垂町66号線排水路更新工事を発注する。2023年度は約8億9800万円を予算化し、基盤整備工事を促進する。26年10月の完成を目指し、総事業費約35億円を投入する。
 直営による産業団地開発を円滑に進めるため、市は21年4月に特別会計を創設した。初年度は8億9000万円、22年度は3億5672万9000円(工事関係費3億381万5000円)を計上。地権者の同意を得て、用地取得は順調に推移している。
 20年度は基本設計を栃木都市計画センター、地質調査を中央土木工学研究所、土地評価を池末不動産鑑定事務所、方眼測量を晃洋設計測量に委託。併せて用途地域の変更、地区計画の決定、市街化区域に編入する区域区分の変更の都市計画決定を告示した。
 市決定の用途地域の変更は駅舎を包含する21haを工業地域に指定。容積率は200%、建ぺい率を60%に制限。市決定の地区計画は駅舎を除く19・5haで住宅、大型商業施設、産廃施設の立地を制限し産業団地3方向に幅15mの緩衝帯を配置する。
 足利佐野都市計画区域マスタープランに基づき県が区域区分を見直す定期線引きの変更では、一帯の21haの市街化調整区域を市街化区域へ編入した。あがた駅北を産業拠点地区に位置付け、計画的な開発見通しが確実なことを理由に原案通り承認した。
 21年度は道路・雨水排水設計を晃洋設計測量、整地設計を栃木都市計画センター、調整池・付け替え水路設計を関東開発に委託し22年度に繰り越した。21年度は北側の市道上渋垂愛宕台中学校通りから延長150m、幅員12mの資機材搬入路を整備した。
 主要幹線道路1は東西軸の延長480m、幅員12m、南北軸の延長70m、幅員6mを指名競争。区画道路1号は道路延長400m、幅員9m、水路延長280m、2号は道路延長170m、幅員6m、水路延長170m、調整池擁壁延長150mを一般競争。
 下渋垂町66号線排水路は、団地西端を南北に走る市道下渋垂66号線に沿った側溝。水路延長は150mで指名競争。今夏は団地北端から東端にかけて逆L字型に配する第2雉川付け替え水路の延長750mを250mずつ3分割発注した。
 土地利用計画は分譲用地14・3ha(74・9%)、調整池2・2ha(11・5%)、道路1・7ha(8・9%)、公園0・6ha(3・1%)、水路0・3ha(1・6%)。4区画の面積は1街区4・8ha、2街区1・9ha、3街区1・2ha、4街区6・4ha。
 駅真北に3街区、駅から連なる線路沿いに4街区と調整池が並ぶ。1街区は市道下渋垂町66号線の東側、2街区は主要地方道足利邑楽行田線の西側に配置。ほぼ長方形の整形地となる。2街区南側に公園を配し、公園の南側に調整池を築造する。
 調整池の掘削面積は3万立方m、深さ1・5m、周囲の擁壁ブロック積み延長は460m。放流先は三栗谷用水土地改良区が管理する第2雉川。23年度は調整池築造に着手し、24年度は調整池の床版、街区整地を数件に分けて発注する予定。
 開発地は県企業局が造成した「あがた駅南産業団地」(開発面積18・4ha、分譲面積12・3ha)の北側。駅南は造成中の予約分譲段階から企業の引き合いが相次ぎ、全10区画は早々に完売。企業の進出意欲は高く、市独自で新団地開発を手掛ける。
 駅の上下を囲む形での産業団地造成は全国でも珍しく、東武線の利用者増につながると判断。進出企業側は関東近県からの鉄道利用による人材確保が見込める。市は産業団地を核に街全体に活気がみなぎるよう若者世代の定住や移住策を一層強化する。
 市内13の産業団地は全区画が完売済み。区画形状は進出企業のオーダーに柔軟に対応する意向。道路交通網は国道50号に1㎞、北関東自動車道の太田桐生ICと足利ICに各10㎞、東北自動車道佐野藤岡ICに15㎞でアクセスできる利便性が強み。

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