業界記事

「大変な大工事実感」知事らが八十里越視察

2021-11-20

 新潟県の花角英世知事は17日、国道289号八十里越道路の工事を視察した。滝沢亮三条市長、小林豊彦弥彦村長が同行し、北陸地方整備局長岡国道事務所の木村祐二所長が状況を説明した。
 三条市と福島県只見町を結ぶ八十里越道路は1986年に事業化され、総延長約20・8km。国土交通省施工(権限代行区間)は約11・8km、新潟県施工約1・2km、福島県施工約7・8kmとなる。
 現場は急しゅんな山間地で、権限代行区間の約88%がトンネルと橋梁の大規模構造物からなる。同区間の11本のトンネルは全て貫通し覆工が完了。今後は舗装や照明の整備を行う。最も難工事とされた5号橋梁も一定のめどが立ち、大規模構造物の整備はほぼ完了した。残りは主なものでは3号トンネルと4号トンネルの間の5万立方の盛土で、ことし発注した。
 5号橋梁は橋脚高が最大81mと新潟県内では最高、全国でも十指に入る。現在、上部工の桁架設中。手延べ送り出し工法の説明を受けた知事らは、手戻りなく施工したことに感嘆していた。
 また、降雪量も工事を阻んだ。9号トンネルの出口付近では簡易測定で7m超えを記録。雪の影響がない4月末から11月までしか工事ができない。木村所長は、除雪のための勾配に配慮した設計とし、シェルターを整備するなど、通年交通を確保する工夫を説明した。
 北陸地整はことし4月に初めて、今後5年程度で全線開通という具体的な供用開始目標を示した。同3月末現在の事業進捗率は約91%。
 花角知事は「改めて大変な大工事だと実感した。事業化から35年、多大な努力でようやく出口が見え、完成目前だ。新潟と福島を結ぶ道路で観光交流の期待が大きい。魚沼、津川も含めた観光周遊ルートにもなる。また県央基幹病院をはじめとし、医療の課題にも寄与する。経済においても大きなインパクトとなる」と話した。小林村長は「国道289号の弥彦村への延伸をお願いしている。村としても新しい観光開発への思いを新たにした」と期待を寄せた。
【写真=視察する(左から)滝沢市長、花角知事、小林村長】

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