業界記事

防水の技術継承へ橋梁現場で奮闘 武山工業の佐野さん、池田さん

2021-04-15

 橋面防水の技能を持つ職人の数が減少するなか、甲府市の武山工業では、2人の若手職人が技能の習得に励んでいる。300度以上に熱したアスファルト材を使う作業。ケガのリスクなどから県内では同社以外に請け負う業者はほぼなくなった。同社の山根希仁専務は「アスファルト防水はこれからも橋の建設や改修に必要な技術。県内にはその職人がほとんどいなくなっており技術の継承が課題だ」と話した。
今月12日、初夏を思わせる日差しが照りつける中、佐野優太さん(23)と池田有祐さん(19)が甲州市勝沼町の橋梁建設の現場にいた。観光施設「甲州市勝沼ぶどうの丘」にほど近い農道。県峡東農務事務所が橋長7mほどの橋を架けている。
 佐野さんは入社4年目。「もともと体力には自信があり、屋外でする仕事がよかった」ため、この仕事を選んだ。橋面防水の作業については「均等に塗るのが難しい。ただ先輩方がやさしく教えてくれるから大丈夫」と話す。300度以上にもなるアスファルトの扱いについても「今のところケガもやけどもない」と特に負担には感じていないようす。現場を取り仕切る山根孝之さんが「焼き肉の鉄板の上にいるよう」と例える、夏場の作業についても「大丈夫。この仕事をするようになり慣れた」と笑顔を見せた。
 池田さんは入社1年目の新人。「友人が建設会社に勤めていて、どんなようすか聞いていたため、やってみようと思った」と、入社の動機を語った。現場作業については「体力には自信があるし、体を動かすのも好き」と、意欲的に取り組んでいる。橋の新設現場に比べ簡易的な作業になる、改修工事の現場で経験を積み始めたが「一通りの流れを覚えるのが大変」といい、先輩職人の作業する姿を見て必死に仕事を覚えている。暑さについては「それは承知の上」と、入職を決めたときから覚悟していた。
 2人共仕事を覚え始めたばかりで、「技術継承」という所までは意識が及ばないようす。だが早く一人前になり、自分の目標や夢へと近づいていきたいとの思いはある。こうした職人が少なくなったことをチャンスと捉え、希少価値の高い職人を目指す。

【写真1=佐野さん】
【写真2=池田さん】
【写真3=指導を受けながら懸命に作業】

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