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栃木土木事業概要、574カ所に190億、下野SICは交付金新規、永野川、巴波川、黒川を改良復旧

2020-09-17

 県栃木土木事務所は、2020年度の事業概要をまとめた。繰り越しを含めた事業費総額は574カ所に190億6000万円を投入。内訳は道路・街路事業が181カ所に104億2700万円、河川・砂防事業が77カ所に51億5100万円、災害復旧事業が316カ所に34億8200万円、受託事業は山地施設災害復旧事業に1100万円を配分した。栃木市の1級河川永野川は災害復旧助成事業に採択され、巴波川浸水対策は21年度の事業化を目指す。壬生町の黒川は災害関連事業。小山市の杣井木川排水機場はポンプゲート更新や堤防舗装を施工。壬生町の都市計画道路3・3・901号おもちゃのまち下古山線若草町は、東武鉄道跨線橋の4車線化へ向けた用地調査や用地買収。下野市の主要地方道羽生田上蒲生線上古山は、国庫交付金を新規導入した。(2面に主要事業個所)
 【永野川】
 栃木市内は19年の東日本台風で甚大な被害が発生。二杉橋(片柳5丁目)、新栗生橋、牛落橋(以上星野町)、上人橋(薗部町)、JR鉄道橋(大平町川連)、大砂橋(岩出町)付近が破堤決壊した。23年度の完成を目指し、12㎞区間に192億円を投じる。
 改良復旧は国道50号(大平町西水代)から主要地方道栃木佐野線(皆川城内町)までが事業区間。河積拡大に向け、河道を掘削。掘削だけでは河積を確保できない場合や左右岸の高さが不均衡な場合に堤防を嵩上げする。一部の工作物は改築する。
 【巴波川】
 巴波川沿いは市街地が形成され、蔵の街並みの伝統的建造物が並ぶ。川幅を広げるには莫大な用地買収費と買収期間を要す。短期間で事業を完了し、最大限に効果を発揮する手法を検討。極力既存の河川構造物を生かし、実現可能な改修手法を追求した。
 JR両毛線(沼和田町)から主要地方道栃木粕尾線の荒川合流点(大町)までの2・4㎞が事業区間。蔵の街大通りを中心とする地下10mに現河川と同規模の水を流すトンネルを築造し、流下能力を向上させる。155億円を投入し、25年度の完成を見込む。
 地下トンネルは内径5500㎜、土被り10m、掘削方法はシールド工法。流入流出部を除き、管路が公共用地に収まるのが利点。工事費150億円、用地補償費4億円、調査設計費1億円と見積もった。今後は詳細な調査設計に入る。一部堤防は嵩上げの予定。
 【黒川】
 黒川は抜本的な対策に向け、改良復旧の上で再度災害を防止する。東日本台風では北関東自動車横断部の両側、赤御堂、地蔵橋付近が破堤。主に黒川の東側、北関東道の両側で家屋や田畑の浸水被害が発生した。河川蛇行部分の溢水が目立った。
 事業区間は福和田橋下流(福和田)から地藏橋上流(上稲葉)までの2・9㎞。ぜい弱部や狭窄区間の堆積土除去、川幅拡大、引き堤、護岸改修、河道掘削、立ち木伐採を講じる。河道掘削は5カ所を選定した。事業期間は19年度から21年度まで。総事業費は4億円。
 【杣井木川】
 杣井木川は2015年関東・東北豪雨時に杣井木川排水機場が冠水し、ポンプエンジンが非常停止。排水ポンプの増設と調節地の築造を計画した。現況のポンプは毎秒7㌧の排水能力。毎秒2・5㌧を排水する立軸軸流ポンプ2台を設置し、毎秒5㌧の排水能力を確保。毎秒計12㌧に増強する。
 【若草町】
 若草町工区は、主要地方道羽生田上蒲生線に街路事業を導入。東進方向は前後区間が4車線なのにもかかわらず、跨線橋が3車線(東進1車線、西進2車線)の変則形。西進方向は主要地方道宇都宮栃木線に向かう右折滞留長が不十分のため、渋滞が発生している。
 東西部の延長605m(東側384m、跨線橋11・4m、西側210m)区間を幅員25mに拡幅改良。両側の副道5mを含む部分は32mを確保する。跨道橋は上部工がプレテンホロー桁、下部工はラーメン橋台。総事業費は21億円。
 【下野SIC】
 壬生町~下野市~上三川間を連絡するのが羽生田上蒲生線。一部は北関東自動車道と交差する平成橋付近から分岐し、高速道路の側道機能を有す。下野スマートIC整備計画では高速道本線に乗り入れるランプ部や変則車線の設置により、県道の付け替えが必要。
 外側に緩いカーブを描く形で延長600m(幅員m)区間を移設。道路詳細設計はシー・アイ・エス(宇都宮市)が担当。総事業費は5億円。
 【大師町】
 壬生町の一般国道352号大師町工区は、国庫補助の新規。西側の主要地方道宇都宮栃木線本丸交差点付近~東側の一般県道上田壬生線大師町南交差点間の延長550m(延べ1100m)区間を改良。歩道幅を広げ、幅員を14・5m。下部に電線共同溝を埋設する。
 幅員構成は車道3・25m×2、両側に自転車通行帯1m、外側歩道は3m×2。歩行者や自転車の通行安全性を向上させる。昨年度は歩道詳細設計をオリエンタル技術開発(栃木市)に委託した。今年度は用地調査、用地買収に入る。総事業費は15億円。
 【平和・潤島】
 一般県道境間々田線(都市計画道路3・4・7号小山野木線)は、小山市平和~野木町潤島の延長2400m(幅員15m)区間を新設する。標準部は車道3m×2、歩道3・5m×2、自転車通行帯1m×2。今年度は調査設計、用地買収、工事。総事業費は21億円。
 西側を並行する一般国道4号に南北交通が集中し、慢性的な渋滞が発生。JR宇都宮線の東側に沿うようにバイパスを整備し、4号の機能を補完。災害時には代替幹線道路の機能を担う。4号の渋滞緩和を図り、野木第2工業団地へのアクセス性を向上させる。
 【大町Ⅱ】
 栃木市の主要地方道宇都宮亀和田栃木線大町Ⅱは大町交差点を北上し、東武鉄道日光線高架橋手前までの延長450m区間の両側歩道を改良する。一帯は歩道幅が狭く自転車と歩行者が錯綜し、電柱や架空線が都市景観を妨げている。電線類を地中化する。
 現行の道路幅員18mは変更しないため、用地取得は不要。歩道幅員3・5mを4・5mに拡幅するほか路肩2mを1・25mに、車道3・5mを3・25mに縮小。延べ900mの両側歩道を改良。今年度は電線共同溝工事。総事業費は5億円。
 【卒島Ⅱ】
 小山市の主要地方道栃木小山線卒島Ⅱは主要地方道小山環状線を起点とし、栃木市境付近の広域農道までの延長2400m区間を整備。栃木・小山生活圏の2つの中心都市間を直結し、県南部の流通を支える。全幅33mで計画し、暫定2車線で整備する。
 全幅33mの内訳は幅2mの中央分離帯の両側に3・25mの車道2車線と1・5mの路肩を設置。道路部分の両側には歩道の代わりに5mの副道。沿道は農家が多く、農耕車、歩行者、自転車利用を考慮。今年度は用地調査、用地補償、工事。総事業費は21億円。
 【大宮】
 主要地方道栃木二宮線大宮(栃木市今泉町1丁目~大光寺町)は、延長3600m(幅員15・5m)区間をバイパス化。幅員は車道3・25m×2、路肩1m×2、歩道3・5m×2。
 今年度は用地調査、用地買収、工事。総事業費は27億円。市が整備する都市計画道路3・4・203号今泉泉川線を起点とし、広域農道までの延長1300m区間の整備を優先する。
 【大町】
 1級河川巴波川(栃木市大町)は、とちぎメディカルセンターとちのき東側~市道1024号線ふたまた橋上流の未整備区間改修と遊水池の整備を計画。延長約1600m区間を改修する。今年度は用地買収、工事。総事業費は40億3000万円。

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