業界記事

小規模建築事業で新方式/工事は設計協力者と随契/年内に2件公告

2020-09-09

 県は交番・駐在所など小規模施設の建設に当たり、設計段階から施工者が参画し、施工の実施を前提として設計に対する技術協力を行う「ECI方式」に準拠した新たな事業者選定方式を試行する。適用は今年10月以降に公告する設計業務から。本年度は中信地区と南信地区の駐在所建設事業、計2件を予定しており、施設課による基本設計の完了を待って、年内に同課から公告される。
 この取り組みは7日の県契約審議会で建築住宅課から報告された。「小規模県有施設木材利用推進モデル事業」と命名した同事業は、小規模施設の建設に当たり工務店のノウハウを設計に生かし、県産木材の活用、コスト縮減、品質向上を図ることが狙い。公募型プロポーザル方式により設計者(設計事務所等)と設計協力者(地域工務店等)をセットで選定し、設計業務は設計者と、建設工事は設計協力者と随意契約する。事業者の募集範囲は県内全域とし、設計部門を有するゼネコンの単独参加も認めることを想定している。
 県の小規模な木造施設の整備は一般住宅に比べて割高な傾向にあるが、今回の試行により、地域の工務店が蓄積した県産木材に関するノウハウ(仕入や適正な積算、コストダウンの方法)を設計に生かすことが可能となる。また、設計部門を持つゼネコンの単独参加から、設計事務所と地域工務店の連携による参加まで、より広く事業者を募集することで、不調・不落の抑止効果も期待している。
 今回の試行に先立ち施設課は昨年度、交番・駐在所の設計者選定で、設計協力者として木造建築施工者の配置を求める公募型プロポーザルを2件試行(長野南警察署篠ノ井西交番建設、飯田警察署竜丘駐在所建設)している。この時は、設計協力者はあくまでもアドバイザー的な位置付けとし、施工者はあらためて入札により選定しており、今回試行するモデル事業は、この取り組みをさらに進めた形。
 ちなみに前年度のプロポーザルにおける参加基本要件は、県内に本店が所在し、建築コンサルタント資格を有する一級建築士事務所。設計協力者の条件は県産木材の利用実績があり、過去15年以内に竣工した延べ面積100㎡以上の木造建築物(県産木材を利用したものに限る)の新築工事の元請け実績を有することとしていた。
 なお、審議会の委員からは「まずは設計事務所と地域工務店を優先していただき、応札動向を踏まえゼネコンの参加も検討する形にしてほしい」「交番・駐在所等は地域に密着した施設であり、地域企業への配慮が必要」といった意見が挙がり、事務局は「試行する中で修正、あるいは発注前に検討していく」と回答した。

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