業界記事

宇都宮市上下水道局、今市浄水場更新実施設計へ、工期約10年、22年度着工目指す、緩速ろ過方式 繊維ろ

2020-05-30

 宇都宮市上下水道局は、今市浄水場更新事業(日光市瀬川)に着手する。更新後の浄水方法を現在と同じ緩速ろ過方式とし、原水の濁度が上昇した時などに限定して繊維ろ過設備を活用する計画。浄水機能を維持しながらの更新となるため沈澱池2池、ろ過池4池を1池ずつ解体・築造していく方針。工事期間は2022年度から約10年を想定。今年度から2カ年で実施設計を行い、整備スケジュールなどを精査し、事業計画の詳細を固める。当初予算に2カ年の実施設計費約1億8000万円を措置。今後早期に業務を委託する。
 今市浄水場は1913年(大正2年)から16年に整備された宇都宮市水道創設時の施設。浄水能力は1万4000㌧/日。1級河川大谷川から取水した水を浄水し、自然流下で宝木や大谷、篠井、新里、野沢など市北西部の区域に給水している。
 1949年の今市地震で被害を受けた施設の一部を改修したものの、大規模な改修は行われておらず、100年以上が経つ施設の大半は老朽化が著しく耐震性が確保されていない。
 機能が停止すると、給水区域への他水系からのバックアップが地形上難しく、水質の変化や非常時の対応に課題を抱えている。安全安心な水道水を安定的に供給するため再整備する。
 主要施設の概要は着水井(直径5m、深さ2・6m)、沈砂池(長さ30m、幅2・3m、深さ2m)、混和池(深さ2m)、フロック形成池(長さ65m、幅4m、深さ1・4m)、沈澱池(縦49m、横44m、深さ4m、有効水量5000㌧×2池)、緩速ろ過池(縦35m、横33m、有効水量1000㌧×4池)。
 原水の水質は良好で、使用する塩素や流量計などの機器類、電気設備も少ないのが特長。コストや運用面を検討した結果、現在の緩速ろ過方式で更新することを決定。必要な時にのみ繊維ろ過設備を通す方法を導入する。繊維ろ過設備は沈澱池流入前の位置に設置する考え。
 現在の沈澱池、ろ過池はコンクリートブロック積みですり鉢状。浄水場は土木学会の選奨土木遺産に認定されており、基本的な配置や景観は変えずに更新。併せて場内の配管も再構築する。現管理棟や旧管理棟、調整池など敷地下流側の施設は更新しない予定。

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