業界記事

維持管理に大きな差/炊飯までオール電化・新治村学校給食センター

2005-08-06

 安い深夜電力を利用し、効率良く電力を利用できるオール電化に注目が集まってきている中、住宅だけではなく、清潔で管理しやすい電化厨房の需要も増えつつある。群馬県内でも結婚式場やレストランなどで採用例があるほか、学校給食センターなどにも広がりつつある。新治村学校給食センターは、一昨年8月にオープンした全国的にも珍しいオール電化の学校給食センター。特に炊飯まで電化で行っているのは新治センターの大きな特長。オープンから2年が経過した現在での、使い勝手やメリットなどを田中勝センター長に聞いた。
 新治学校給食センターは、新治村東峰須川に位置し、S造平屋建て、延べ床面積2186・88㎡。調理方式はオール電化で、1日1000食を賄える。
 特長は、調理室から空調、給湯、床暖房まで全ての熱源に電気を利用するオール電化施設。オール電化による給食センターは全国でも珍しく、東京電力管内で現在7か所、また炊飯まで電化で行う施設は新治と栃木県内の施設の2か所のみ。
 内部は、HACCP(※ひとくちメモ)概念に沿って汚染区域と非汚染区域を明確に区分したドライ方式を採用している。
 調理は、IH連続炊飯システムや電気回転釜、電気連続フライヤー、スチームコンベクションオーブンなどの機器が使われる。
 システムには、深夜電力を利用するエコ・アイスと560リットルタイプの家庭用電気温水器を12台並列に配置した給湯システムを採用する事で、エネルギーコストを削減。また、蓄熱式床暖房も取り入れている。
 給食センター建て替えの際に、オール電化を採用した経緯について、田中所長は「作業環境と衛生面の向上を図りたかった」と話している。電気厨房機器は、熱効率が良く、余分な熱を放出しないので、室内が暑くなる事が少ない。「そのため、エアコンも小さい能力のもので対応出来ており、イニシャルコストも縮減出来た。水蒸気や煤による汚れも少なく、ボタン1つで温度と湿度が常に一定に保たれるので、作業環境、衛生面が大きく改善された。また、建て替えに伴い、ドライ方式を採用したが、床暖房がドライ化の推進に役立っているほか、冬場の作業環境の改善にもつながっている」と話している。
 また、維持管理についても大きなメリットがあったと話している。「以前はボイラーを利用していたので、維持管理が大変だった。また、冬場は水道が凍ってしまうので、夜中ストーブを焚いていて、そのため夜の間に何度も様子を見に来ていたが、今は早期にタイマーで床暖房が作動するのでその必要もなくなった」と当時の苦労を振り返る。また、電気厨房機器の大きなメリットについて、東京電力では「マニュアル化が容易な点」を挙げている。温度制御がボタン操作などで簡単に行えるため、料理毎のマニュアルが作成出来る。新治センターにおいても、「作業員毎に味のバラつきがなく、安定した給食を提供できていると思う」としている。
 コスト面について、東京電力では「ランニングコストについては、深夜電力を有効に利用することで抑える事が出来るが、イニシャルコストをもう少し下げる事が出来れば」と話しており、田中所長は「ランニングコストは当初考えていたよりも少なく、平均すれば1月当たり40数万円程度。確かにイニシャルコストは大きいが、作業環境や衛生面を考えれば、決して『高い買い物』ではなかった」としている。給食センターのような、長い期間に渡って使用される施設では大きな問題とはならないが、今後レストランなどにも電化厨房が拡大していくとなれば、イニシャルコストの問題はクリアすべき課題となりそうだ。
 ※ひとくちメモ
HACCPとは、Hazard Analysis-Critical control Pointsの略語であり、危害分析重要管理点(監視)方式と略されている。誕生は、1960年代にアメリカの宇宙開発計画の一環として、宇宙食の開発用にNASAと陸軍が共同で開発したもの。
 これまで日本の食品検査の方法は、最終製品の抜き取り検査だったが、HACCPは原料の入荷、製造、出荷まで全ての工程で、あらゆる危害を予測し、またそれを防止するための重要管理点を特定、そのポイントをモニタリングし、異常が認められたらすぐに対策が取れるシステム。

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