業界記事

年内に方向性検討/環境対策、コスト等事業の可能性/野呂川発電所地下調整池

2005-07-27

 県企業局は、野呂川発電所地下調整池建設事業について現在、環境調査(動植物、猛禽類調査)、水理検討などの作業を進めており、これら調査等の結果を踏まえ、10月から12月にかけて環境対策等における方向性の本格検討を実施する。建設着手の可能性が強まれば、その後、平成20年度頃までの測量や設計作業を予定し、事業着工の運びとなる。これまでに概算として示してきた約36億円の事業費は、周辺環境対策などで増加するものと見られており、二酸化炭素の排出の削減など地球環境に対する事業効果の反面、投入コストの点がどう折り合うのか判断が注目される。
 同調整池は、南アルプスに源を発する早川の最上流にある、県営野呂川発電所(南アルプス市芦安芦倉地内)の導水路に並行して、直径約5m、延長約6kのトンネルを築造、最大約10万立方mを蓄え、電力消費の多い昼間のピーク発電量を増やすもの。
 地下調整池を併設することで、電力消費の少ない夜間に河川水を同調整池に貯水し、電力消費の多い昼間にこの水を利用して発電する仕組み。これにより、野呂川発電所のほか、下流の奈良田第1発電所、奈良田第2発電所を含めた3発電所で、電力の需要に合わせた発電(ピーク発電)が可能になるという。電力会社に販売する現在の単価は、昼夜を問わず一定であるため、電力消費量の多い昼間時間帯での発電に対する理解も求められるところ。
 同局では、昨年度に東電設計へ委託した建設可能性調査に続き今年度には、同設計に動植物調査(570万円)、アイエヌエーに基本調査(490万円)をそれぞれ委託しており、同調査結果を踏まえた検討を進めているが、前例が無いだけに思わぬ検討課題も発生、慎重な検討作業になっている。
 昨年度の建設可能性調査結果では、(1)電力需要が増加している昼間時間帯に一般家庭約8000軒分に相当する2万3900kw(最大)の電力が供給できる(2)昼間時間帯の火力発電所の運転抑制により、1年間にドラム缶約3万8000本の原油が削減でき、これにより約2万1000tもの二酸化炭素の排出が削減(約5900haの面積に植林したことに相当)され、地球温暖化対策に貢献できる、などの効果があることがわかっている。
 同調整池の設置により、貯めることができない電気エネルギーを水という形で蓄え、必要な時に利用するもので、地球環境の保全に貢献できる。これは、夜間電力により汲み上げた水を利用して発電する揚水式発電のように、別の電力を消費して電力を生み出すものではなく、クリーンエネルギーの有効利用が図れる。

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