業界記事

国・県・茨建協が意見交換会

2019-11-12

 国土交通省関東地方整備局(石原康弘局長)、県土木部(伊藤高部長)、県建設業協会(石津健光会長)による意見交換会が8日、水戸市の県建設技術管理センターで開催された。発注者と受注者の双方が抱える諸課題の改善に向け、毎年実施しているもの。協会は国に対し、公共事業予算の安定的・継続的な確保を要望したほか、女性技術者の活躍についてさらなる支援策や優遇措置などを求めた。
 冒頭、関東地方整備局の石原局長は、台風の被害者へお見舞いの言葉を述べたあと、「まさに災害のない都県はない」とし、「一日も早く復興が達成できるよう、全力で支援してまいりたい。皆さまのアドバイスをいただきながら進めていきたい」と話した。
 また新担い手三法について触れ、「品確法の基本方針が閣議決定され、これから運用指針を取りまとめるところ。本日は率直な意見をいただき、さらに改善していきたい」と述べた。
 伊藤県土木部長は、台風15号、19号、21号発生後の幅広い支援について国交省に感謝し、協会に対しては「昼夜を問わず、厳しい現場環境の中で対応いただいていることや、土砂や廃棄物の運搬などさまざまな協力にお礼申し上げる」と語った。
 さらに「建設業界は地域の守り手として不可欠であることを、県民の皆さまに認識していただけたと思う。これから早期の復興に向け、今日の意見交換会でさらに連携を深めてまいりたい」とした。
 茨建協の石津会長は、台風時の災害対応について「あらためて国、県、建設業界の連携の重要性を思い知った」とし、「複数箇所での緊急対応が求められている工事については、地域の業者が一体となって取り組む方法を検討していく必要がある」と伝えた。
 そのほか、週休二日制に向け第2土曜日を一斉休工日としたことや、女性部会を設置したことを報告した。
 その後、国側が来年度予算の概算要求や総合評価の実施方針、特定技能外国人、建設キャリアアップシステムなどについて説明。
 続いて協会は、①週休二日制の導入・定着(6月から第2土曜を休工)②生産性の向上(i-Con関係講座の民間活用)③女性活躍推進と人材確保(建女ひばり会の設立、合同説明会)④業界イメージアップ(ホームページのリニューアル)⑤災害対応(衛星携帯電話とドローンの配備)-の5つの取り組みを報告。
 意見交換は協会側が用意した◆公共事業予算の安定的・継続的な確保◆i-Constructionの取り組み◆概略設計◆女性技術者活躍のための取り組み-のテーマに対し、国側が回答する形式で行われた。
 このうち「公共事業予算の安定的・継続的な確保」について、協会側は「地域の安全・安心を守るという社会的使命を果たしていくためには、公共事業予算の安定的かつ持続的な確保が必要」とし、来年度予算の茨城県への配分の配慮を求めた。
 これに対し国側は「茨城県における直轄事業予算配分額は、本年度当初予算で前年度比1・17倍、補助事業予算配分額も前年度比1・13倍。防災・減災、老朽化対策をはじめとする諸課題にしっかりと対応できるよう、必要な予算を確保する」と回答。
 「i-Constructionの取り組み」では、調査・設計から施工・検査、維持管理・更新までの全てのプロセスでICTを導入する動きが着実に広がりを見せていることから、「コンクリート工の規格の標準化など、特にプレキャストコンクリート製品の活用について、および現場打ちコンクリート構造物に適用する機械式鉄筋継手工法の活用について、現在の推進状況を」と質問。
 国側は「ガイドラインに基づき、設計・施工がなされているところ。ガイドライン策定前に設計されたものについては、機械式鉄筋継手等が採用されていないものもあるが、設計変更で対応している」と答えた。
 「概略設計」については、協会が工事発注前にもっと精度を向上させるように求めると、国側は「できる限り適切な概算数量の設定、条件明示をし、設計変更に当たっては発注者と受注者が一堂に会して審査会を開催し、妥当性の審議を行うとともに合意形成をしている」とし、「ご意見を踏まえ、工事内容や設計の精査に努める」とした。
 「女性技術者活躍のための取り組み」については、協会側が「新たな計画策定に着手されていると聞いているが、新計画には従来以上にハード・ソフト両面で支援策の充実・強化を図っていただきたい」と望んだほか、女性を積極的に活用している企業への優遇措置を要望した。
 国側は、意見聴取会やアンケートを幅広く実施し、その声を新計画に反映させるとし、「女性技術者の配置を入札参加要件とした女性技術者・若手技術者の登用を促すモデル工事を施工能力評価型の工事で実施している。また、女性活躍推進法に基づく認定等(えるぼし認定企業等)をはじめとするワークライフバランス関連認定制度の認定企業は、総合評価で加点評価している」とした。

【①石原関東地整局長②伊藤県土木部長③石津茨建協会長④発注者と受注者双方の課題解決へ意見を交換した】

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