業界記事

充実度増す担い手対策/現場活用し実践指導も/県と建設関係団体の取り組み

2019-11-08

 県内建設関係団体と県の連携による担い手確保・育成対策が充実の度合いを増している。担い手不足が最重要課題という共通認識のもと、従来から積極的な取り組みを展開しており、本年度は県が「建設産業の次世代を担う人づくり推進事業」として新たに予算を確保。建設系学科を有する高校生などを対象とした体験学習や資格試験準備講座にかかる経費の一部を支援している。
 6日、予算を活用した建設技術実践プロジェクト事業が長野市の県長野工業高等学校で行われた。参加したのは土木科の3年生のうち測量設計学習を選択した6人。講師を務めた建設コンサルタンツ協会長野地域委員会の小林功・技術委員長(フジテック取締役)は、分かりやすく丁寧に作られた資料を使い建設コンサルタントの仕事内容、年代に応じた会社での役割や資格取得のイメージ、今後プロジェクトで行う道路設計の進め方などを説明。「人任せではなく興味を持って取り組んでほしい」とエールを送り、「(業界に身を置く)われわれには次の世代を育てる義務がある。生徒や学校とwin-winの関係が築ければいい。彼らが将来、建設の現場に立ち『そういえば、あの時、こんなことを言っていたな』と思い出してくれればうれしい」と思いを語った。
 本年度は8月から県測量設計業協会が測量業務の指導を行い、今回から設計指導に移行。年末にかけて複数回実施し、年明けには校内で成果を発表する。
 また同じ日、同校から1㎞ほど離れた裾花川の河川改修工事現場では、施工学習を選択した別の生徒6人が型枠づくりを体験していた。県長野建設事務所が発注した同工事は、建設技術実践プロジェクトへの協力を条件に付して公告。受注した喜久屋商会(長野市)が施工とともに生徒の講師役を務めている。
 同校OBでもある原山大輔代表取締役は、後輩たちを「皆、真面目に取り組んでいる」と評価し、「自分たちの造ったものが後世に残る。今回の災害復旧もそうだが、誇りを持てる仕事であることをしっかりと伝えたい」と話し、中村直久取締役土木部長は「学校の勉強はもちろん重要だが、実践してみないと分からないこと、経験して初めて感じることもある」と、実体験を踏まえ取り組みの有効性を強調した。
 建設技術実践プロジェクトは本年度、長野工業のほか、飯田OIDE長姫と南安曇農業高校でも実施中。2級土木・建築施工管理技士資格取得支援事業では県内4地区で学科試験の準備講座を開催している。

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