業界記事

除雪研究会が発足/アンケートで機械自動化を重視

2019-09-05

 長岡市はこのほど、道路除雪に関する新技術の調査研究組織「長岡市除雪イノベーション研究会」を立ち上げた。安定的な除雪体制の維持を目指し、情報共有をはじめ課題の検討、実証に取り組む。
 8月29日に行われた初会合には8人の委員が出席し、会長には防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの上石勲センター長を選任した。上石会長は「新しい長岡発の技術開発に意見をいただきたい。中長期的に効率性の向上を見据えたい」と抱負を語った。
 議事では、市の道路除雪に関する課題を土木部道路管理課の中川信行課長が説明。「研究会設立を踏まえ、本年度に初めて実施した」と前置きし、市内107社を対象に行ったアンケート調査の結果を公表した。
 それによると、除雪オペレーターの年齢層は7割が40~60歳代。20~30歳代の若手は2割ほどにとどまった。オペレーターと同乗者989人の契約状況については自社契約(通年)が79%の709人、自社契約(冬期間のみ雇用)が15%の153人。経験年数の割合は5年未満が23%、5~10年が18%、10~15年が17%と続き、全体の84%を占める業者が、担い手確保を喫緊の課題として挙げた。
 人材不足を補うIoT活用の展望では、107業者の管理職が除雪機械の自動化において最重要視する機能を回答。周辺交通や歩行者等の危険察知が最多を占めた。除雪グレーダ等の一人乗車仕様への移行では、37%が安全対策の充実で移行可能と答えた。
 委員からは「一人での長時間乗車(2~3時間以上)はきつい。不安があり、除雪出動システムの構築が必要」との意見や「長岡国道事務所では新型車両の導入を始めた。国との情報共有を望む」等の要望も出された。
 講演では、中越防災安全推進機構の諸橋和行地域防災力センター長が長岡市内での実証結果を報告。消雪パイプの新型制御機器の活用事例を紹介し「高性能降雪センサーの記録(気温・路面温度)をクラウド化し、2018年1月~3月まで長岡市の4路線と新潟市内の8路線で試験配信した」と述べ、地下水位や降雪予測、路面温度等の記録を分析することで、除雪の最適化をシミュレーションできると解説した。 研究会では21年3月までに5回の会議を開催。次回は11月下旬を予定する。 

【写真=初会合を開いた】

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