業界記事

新たな産廃最終処分場/埋立170万~260万立方m/整備基本方針

2019-09-04

 県は「新たな産業廃棄物最終処分場」の整備へ基本方針をまとめた。新しい施設は公共関与の手法により整備を進める。種類は管理型で、事業運営主体は県環境保全事業団等の廃棄物処理センターの指定を受けた県出資法人等とする。埋立容量は170万~260万立方mを確保し、埋立期間は15~20年程度。中間処理施設の併設は必要性の有無を検討していく。整備候補地は段階的に絞り込み、2019年度内に複数の候補地を選定。21年度までに整備地を決定し基本計画の策定などを進め、23年度から建設工事を行い、25年度の供用開始を目指す。

 県関与の最終処分場は管理型最終処分場「エコフロンティアかさま」(埋立面積9・8ha、埋立容量240万立方m、笠間市福田)があるが、18年度末の埋立進捗率が6割超となっている。25年度ごろには埋立終了となるため、それまでに新たな施設を整備する必要がある。
 そのため県では有識者などによる「新産業廃棄物最終処分場整備のあり方検討委員会」(委員長・大迫政浩国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長)を設置し、整備方針等を協議。協議結果を受けて県が整備基本方針をまとめた。
 基本方針によると、新たな産廃最終処分場は公共関与の手法で整備を進める。事業運営主体は、廃棄物の適正処理と継続的な運営のため、県関与の管理型最終処分場「エコフロンティアかさま」の運営実績がある県環境保全事業団などの廃棄物処理センターの指定を受けた県出資法人等とする。
 新処分場の種類は、廃棄物の無害化や不溶化などの中間処理を行う「管理型」。形態については屋根の無い「オープン型」、被覆構造物で覆う「クローズ型」について、それぞれの特徴を踏まえ、候補地の選定とともに検討する。
 埋立期間は、施設整備の検討開始から供用まで少なくとも7~8年が掛かり、さらに次の新施設の整備を見据えると15年以上分が必要となる。エコフロンティアかさまは20年程度の埋立期間でもあり、新施設は15年~20年度程度とする。
 埋立容量は170万~260万立方mを確保する。県内発生土の最終処分量の目標やエコフロンティアかさまの実績などを踏まえ想定。決定に当たっては事業の採算性も検証する。
 中間処理施設を併設するかについては、廃棄物処理の動向や候補地周辺の民間処理施設の設置状況、地域産業との連携の可能性、用地確保などを勘案しながら検討していく。県内の中間処理施設は17年4月1日時点で364カ所となっている。
 候補地は県内全域を対象に整備可能な地点を調査・選定し、段階的に絞り込む。
 1次調査では、土地利用計画や防災面、地形・地質などの法令制約地域などを除外し、必要容量や地形、浸出水の処理、交通アクセス、周辺状況などを考慮して抽出する。
 2次調査では地盤や動植物、水処理などの専門的な観点から検討。3次調査では生活環境や経済性などによる比較検討や総合評価を行い、複数の候補地から最終候補地を県が決定する。
 整備可能地調査業務は20年3月末までの納期で㈱建設技術研究所(東京都中央区)が行っている。
 整備は、エコフロンティアかさまの埋立終了時期を見据え、途切れることなく公共関与による最終処分場を確保するためのスケジュールで進めていく。
 想定期間は、20年度から21年度にかけて候補地を決定し、地元調査を行う。基本計画の策定や用地取得、環境影響評価、実施設計を22年度まで進め、23年度に着工し、25年度まで建設工事を実施し、25年度の供用開始を目指す。
 エコフロンティアかさまは02年10月に着工し、05年8月に開業した。敷地面積は28・6ha。整備費用は合計246億5700万円。

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