業界記事

鹿沼市 水源地域拠点施設計画案、21年度下期に拠点施設着工、年度内に事業者・設計者選定

2019-07-17

 鹿沼市は、水源地域振興拠点施設整備基本計画案(上南摩町)をまとめた。市西北部地域の約5haを対象に温泉機能、農村レストラン、物産直売所、食品加工所、体験機能(調理室、学習室)の中核施設を建設する。事業手法は①指定管理予定者を先行選定後、設計に管理予定者の意見を反映させる方式②設計・工事・運営の一括発注(DBO方式)-のいずれかを選択。拠点施設の基盤整備工事は2021年度下期~23年度前期の3カ年間で推し進め、24年度の供用開始を目指す。
 18年度の公募型プロポーザルの結果、基本計画策定はオリエンタルコンサルタンツ(東京都渋谷区)に委託。計画案は今月下旬から8月上旬にかけ、地元自治会住民への説明会を開催。8月1日~31日までのパブリックコメントを経て9月には確定する。
 事業手法は公設民営を基本とし、民間企業の創意工夫を生かした効率的で魅力的な施設整備に努める。19年度中には運営事業者を選定の見込み。19~20年度の2カ年間は温泉掘削を施工する。ロータリー式掘削工法を採用し、深度1500mまで掘り下げる。
 19~21年度の3カ年間で基本・実施設計を練り上げる。20年度は関係係法令諸手続きとともに、用地交渉に着手。21年度には用地を取得する。財源は水源地域対策特別措置法に基づく水源地域整備事業や思川開発施設基金事業を充てる。
 整備コンセプトは「豊かな自然に彩られた水源地域に新たな交流拠点を創出」~多様なニーズに応える柔軟性のある施設を目指して~。基本方針は地域振興、にぎわい創出、交流促進。構造は「市公共施設木造・木質化基本方針」に則り、鹿沼産出木材を使用する。
 コア(核)施設のほか時々のニーズに合わせるフレキシブル施設は宿泊機能(グランピング、キャンプスペース)、アクティビティ機能(多目的広場、体験農園、レンタサイクル、自転車コース)を想定。土地利用は現況地形を可能な限り生かす。
 約5万平方mの内訳はコア施設約1500平方m、駐車場約6000平方m、フレキシブル施設約3万6000平方m、管理施設(園路、調整池)約6500平方m。温浴施設や飲食施設は見晴らしの良い敷地中央付近の高台に配し、車両動線と歩行者動線は分離する。
 社会動向や利用者ニーズを的確に把握し、常に新たな事業を展開。民間事業者の自主的な提案による地域活性化(地元雇用、地場産品活用)。地域団体との連携や協働を通じた市民や下流域の人々との交流。収益確保と経費節減による採算性の取れる運営が目標。
 今年度は温泉掘削費の2カ年にわたる債務負担行為を設定。掘削地は市役所本庁舎南西6・3㎞、鹿沼運動公園西端1・1㎞の雑種地。掘削口径311・2㎜の動力装置で地下を掘り下げ、毎分145㍑の温泉湧出量を試算した。
 水資源機構思川開発建設所は24年度の完成を目指し、思川開発事業を進めている。1級河川思川の支川南摩川に南摩ダムを建設。洪水調節と同時に思川支川の黒川や大芦川と南摩ダム間を導水路で結び、水を融通し合う効率的な水資源開発に取り組んでいる。
 ダム建設は周辺地域の暮らしに大きな影響を与える一方、ダムやダム湖を観光資源に生かす様々な取り組みが各地で進行中。南摩ダムは、市中心部から約8㎞。東京から100㎞圏内にあり、東北自動車道鹿沼インターから13㎞とアクセスが良好。
 一帯は清流、山岳、高原の美しい自然、農林畜産業、神社・仏閣の観光資源に恵まれている。南摩ダム関連事業では県が「水と緑の南摩の里整備」(スポーツ・レクリエーション施設)、市が別事業で南摩水源の森整備(針葉樹から広葉樹への樹種転換)を計画している。

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