業界記事

民間活力の導入など/まちとつながる公園に/千葉公園再整備の方向性/千葉市

2019-04-09

 千葉市は、千葉公園のさらなる魅力向上やJR千葉駅北エリアの活性化を図るため、千葉公園再整備マスタープランの策定作業を進めているが、再整備の方向性について緑政課及び中央・稲毛公園緑地事務所(千葉公園内)で来月7日まで意見を募集。それを踏まえて再整備マスタープランを取りまとめ、続いて再整備基本設計に入る予定。再整備マスタープランの策定については、八千代エンジニヤリングがコンサルタント業務を担当。また、本年度当初予算には、再整備基本設計費として4660万円を計上している。
 千葉公園(中央区弁天3丁目)の再整備対象エリアは、都市計画決定区域で約21ha、都市公園区域で約16ha。公園内には野球場や体育館、プール等のスポーツ施設のほか池や広場、散策路などが整備されている。
 このうち老朽化が著しい体育館については、千葉競輪場の「250競輪」で整備される(仮称)千葉公園ドームとともに、千葉競輪場の敷地内に新体育館を整備する計画。いずれも2020年度の供用開始を目指している。
 (仮称)千葉公園ドームは、日本写真判定が整備する。コンセプトデザインを坂茂建築設計、実施設計及び工事を清水建設が担当し、RC造(一部別構造)地下1階地上3階建て、延べ約1万4000㎡のドーム屋根で計画。レストランやカフェ、ショップ等も併設。
 一方、千葉公園体育館については昨年度、プロポーザルで基本設計をINA新建築研究所に委託しており、本年度は実施設計を進める。計画規模はRC一部S造3階建て、建築面積4922㎡、延べ8203㎡。外観は「ハスの葉に浮かぶ雫」をイメージし、隣接して建設される(仮称)千葉公園ドームとの調和を考えドーム型とした。
 千葉公園再整備の方向性では、①緑と水辺に囲まれた心地よい公園(憩い)②一年、一日を通して賑わいや交流を生む公園(賑わい)③まちとつながる公園(地域の回遊性・連携)④みんながつくり育てる公園(公園の運営)を、目指すべき将来像とした。
 進行中の(仮称)千葉公園ドームや体育館の再整備に加えて、古くなった野球場やプールについて、民間活力を導入し、施設の更新や賑わいを創出する新たな施設・広場等の整備を検討するほか、園内道路は一般車両が通過できるよう見直し、一体感のある広場空間の整備を検討。中央図書館へとつながる新たなアプローチとして、図書館と公園をバリアフリーでつなげるプロムナード及びエントランスの整備を優先して検討するとしている。
 
 再整備の方向性
 
 【憩い】
 ▽方向性=①都心の中の心地よい憩いの空間へと再生②高台から見渡せる風景など、景色が楽しめる公園③都心の貴重な水辺「綿打池」を生かした公園④1年を通して「オオガハス」とふれあい楽しめる公園
 ▽取り組み(例)=①起伏のある地形を生かした眺望を確保するため、東門の高台から綿打池やオオガハスが見渡せるビューポイントを整備(重点)②サクラ等の更新や間引きにより、心地よく感じられる緑へ再生③四季折々の景色が楽しめる、花木や草花の充実④綿打池周り等のロケーションを生かし、お気に入りの場所でゆっくり過ごせる休憩スペースを整備⑤オオガハスの拠点公園として、展示施設等を充実
 【賑わい】
 ▽方向性=①訪れたくなる施設やイベントの開催など、賑わいを感じられる公園②日常的なスポーツや遊びの中で、交流が生まれる公園③時間で魅力が変化し、多様な使い方や楽しみ方ができる公園にする
 ▽取り組み(例)=①新たな賑わいを創出する、カフェやショップ等の施設や広場等を整備(重点)②大きなイベントにも対応できるよう、駐車場や十分な広さの園路を整備③斜面を生かした大型すべり台等のわくわくする遊具や、健康づくりのための健康遊具を整備④ライトアップや夜のイベント等、夕方から夜にかけての魅力を高め、時間を共有したくなる演出
 【地域の回遊性・連携】
 ▽方向性=①中央図書館・生涯学習センターと公園が相互に使いやすくなるよう、アプローチを改善②千葉駅北口や周辺地域との回遊性を高める③地域の安全・安心を支える公園として、防災力を高める
 ▽取り組み(例)=①中央図書館等と公園を、バリアフリーでつなげるプロムナードを整備(重点)②公園の顔として、主なエントランスを明るく開放的な空間に改善③利用者が安心して使える園路や公園として一体感のある広場空間を整備④広域避難場所として、災害時には多くの避難者を受け入れられる広場や逃げ込みやすいルートを整備⑤鉄道連隊演習所跡を伝える遺構の保全活用⑥千葉駅から公園へのアクセス性や、千葉駅北エリアの回遊性を向上させるため、歩道照明、誘導サイン、カラー舗装、花や植栽による修景等を整備
 【公園の運営】
 ▽方向性=①市民、企業、行政が連携、協働して、公園や地域の魅力アップに取り組む②施設の整備や公園の管理運営に、民間事業者の資金やノウハウを活用する③新しい発想による、より公園を柔軟に使いこなすための取り組みを進める
 ▽取り組み(例)=①民間の資金やノウハウを活用し、「憩い」や「賑わい」の拠点となる施設を導入(重点)。例として、心地よい緑の中で、ゆったりとくつろげるカフェやバル、おもてなしを感じられるトイレや授乳室など②公園利用者からもてなす側へ、地域ぐるみで公園魅力アップ活動。例として、公園の魅力資源であるオオガハスを守り・育てる活動など③地域住民や公園利用者にとって、やりたいことができる公園にするための仕組みやルールづくり。例として、地域住民・近隣の企業・市内の大学・公園管理者が一体となった組織による、新しいスタイルの公園運営

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